2008 Fiscal Year Annual Research Report
ラマン分光を用いた胆嚢、胆道系腫瘤診断のための基礎的研究
Project/Area Number |
18591366
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
甲田 英一 Toho University, 医学部, 教授 (80101989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 学 東邦大学, 医学部, 講師 (30297709)
長基 雅司 東邦大学, 医学部, 講師 (10172561)
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Keywords | 分析科学 / 癌 / ラマン分光 |
Research Abstract |
対象:ホルマリン固定された正常肝部、胆管炎、胆管癌、原発性肝癌、転移性肝癌(原発大腸癌)を対象とした。方法:近赤外ラマン分光測定に使用した励起レーザーは1064nmの近赤外線で、48mW、5分間の励起を行った。レーザー照射は前年度開発したファイバープローブを用いて行った。測定関心領域は、前年の成果をもとに850-1700cm^<-1>とした。測定機器、方法に関しては前年度の結果を踏まえて、F/2.5collimating lensおよびHolographic notch filterを通過させた後、Multichannnel polychromatorで測定した。測定は各検体に対して2回、計32回施行した。分光波形の評価は3名で行った。結果:正常肝部と癌病巣における近赤外ラマンスペクトラムを対比すると、全例で1051、1130、1443Raman Shift/cm^<-1>において、正常部は癌部より高いピークを有していた。原発性肝癌と転移性肝癌における近赤外ラマンスペクトラムの対比では、両者のスペクトラムの差分結果を検討した。解析可能であった全例において、1447Raman Shift/cm^<-1>のラマン強度が転移性肝癌において高値を呈した。胆管癌病巣における計測は不能であった。結論:以上の結果から、ラマン分光法を用いて、正常肝と癌部の鑑別は1051、1130Raman Shift/cm^<-1>の計測を行うことで可能であった。病巣部の鑑別においては、原発性肝癌と転移性肝癌との鑑別は1447Raman Shift/cm^<-1>の強度計測を行うことで可能であった。胆管癌においては、胆汁が付着した状態では計測が不可能であった。
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Research Products
(2 results)