2006 Fiscal Year Annual Research Report
体幹部定位照射においてコンボルーション法による線量計算の精度を高める手法の開発
Project/Area Number |
18591375
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
岩崎 晃 弘前大学, 医学部, 教授 (60111233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 淳一 弘前大学, 医学部, 助教授 (00333732)
久保田 護 弘前大学, 医学部, 助手 (80133891)
阿部 由直 弘前大学, 医学部, 教授 (10167950)
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Keywords | コンボルーション法 / 線源軸外線量比 / 軸外コリメータ散乱係数 / リーフ照射野出力差分法 / 高エネルギーX線スペクトル |
Research Abstract |
マルチリーフコリメータ(MLC)を用いた定位照射におけるコンボルーション法の計算精度を高めるために行った理論的及び実験的研究を以下に述べる。 1.ライナックX線装置からのX線スペクトルを軸外距離の関数として、効果的に「エネルギーフルエンス」及び「光子フルエンス」で表す方法を確立した。 2.X線ターゲット及び平坦化フイルターにおける線源強度分布を、それぞれガウス関数で表すことに成功した。これにより、ジョウ照射野における空中出力係数を「線源軸外線量比(OCR)」及び「軸外コリメータ散乱係数(Sc)」の積で表す計算ソフトを作成した。ここで、「線源軸外線量比(OCR)」は、無限照射野を想定した場合の空中一次線強度分布を表す。「軸外コリメータ散乱係数(Sc)」は、無限照射野にジョウ照射野を設定した場合の空中一次線強度分布の変化を表す。 3.MLC使用時の場合は、さらにMLCによって遮蔽される部分に新案の「リーフ照射野出力差分法(leaf-field output subtraction method)」を適用させ、さらに軸外距離の関数であるX線スペクトルを考慮して、MLC照射野内外での入射X線強度を算出する計算ソフトを開発した。特に、MLC微細構造におけるX線漏洩の程度を計算に反映させることに成功した。 4.モンテカルロ法を用いて、半無限厚の水ファントムを想定して得られる「一次線量拡散分布」及び「散乱線量拡散分布」のカーネルを作成する手順を開発した。これらのカーネルを用いることにより、特に小照射野での線量計算がより正確になることをモンテカルロ法により確認した。 5.入射X線スペクトルの各エネルギービンの代表エネルギーごとのカーネル及び一次X線強度を用いることにより、媒体中における一次X線強度及びカーネルに関して、線質変化を考慮することなしに高精度線量計算が可能となるコンボルーション法を確立した。
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Research Products
(4 results)