2006 Fiscal Year Annual Research Report
高解像度アレイCGHによる胃癌のゲノム異常獲得形式と病理組織学的因子との統合解析
Project/Area Number |
18591400
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
富岡 伸元 北海道大学, 大学院医学研究科, 特任助手 (80399899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 倫孝 北海道大学, 大学院医学研究科, 特任助教授 (80256510)
中西 一彰 北海道大学, 大学院医学研究科, 特任助手 (80374338)
多田 光宏 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (10241316)
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Keywords | アレイCGH / ゲノム異常解析 / 原発性胃癌 / 統合解析 |
Research Abstract |
現時点で56例の胃癌症例の解析が実施済みである。異なる病理組織型の間では、当初予想されていたほどダイナミックに異なるゲノム異常パターンは見出されていないが、幾つかの領域(5q13.2、8q24.3、14q32、15q11.2、16p13.2、18q21、19p13)で、異なるゲノム異常が認められた。 よって、組織型共通のゲノム異常領域に注目すると、共通増加領域(3p26、6q22、11q12、17q23、20q13)や、共通欠失領域(4q12、4q34、8p23、12q24、13q21、15q11、17p11)が認められた。これらは組織型が決定する以前に引き起こされているゲノム異常である可能性もあり、あるいは組織型に共通の悪性度獲得様式の存在を示しているのかもしれない。 また、予後に関連するゲノム異常領域も抽出できており、増加すると予後不良である領域(1q21、2p25)、欠失すると予後不良な領域(3p21-22、6p21、9q21、9q32、11p15.4、17q12-21)、あるいは、増加していると予後良好な領域(3p21)や、欠失していると予後良好な領域(5p15、5q21、15q21-22、15q25、18q21)が同定された。 今後の計画としては、これまでの途中解析結果を参考に、残り20例強の症例の解析結果を追加しながら、本研究の目的に対する解析結果を纏め上げてゆく。一方、アレイCGH解析済みの56例に対しては、発現解析を併行したり、PCRなど別のモダリティーによるゲノム異常の有無につき確認作業を進めてゆき、そのゲノム異常の生物学的意義を掘り下げてゆく。
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