2007 Fiscal Year Annual Research Report
高解像度アレイCGHによる胃癌のゲノム異常獲得形式と病理組織学的因子との統合解析
Project/Area Number |
18591400
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
富岡 伸元 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 特任助教 (80399899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 倫孝 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任教授 (80256510)
中西 一彰 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任助教 (80374338)
多田 光宏 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (10241316)
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Keywords | アレイCGH / ゲノム異常解析 / 原発性胃癌 / 統合解析 |
Research Abstract |
胃癌56例のアレイCGH解析結果をもとに、臨床病理学的因子とゲノム異常の関連を解析している。まず、異なる病理組織型の間では、明らかに異なるゲノム異常パターンは見出されなかったが、幾つかの領域(5q13.2、8q24.3、14q32、15q11.2、16p13.2、18q21、19p13)で、異なるゲノム異常を呈していることが確認された。また、組織型共通のゲノム異常領域としては、共通増加領域(3p26、6q22、11q12、17q23、20q13)や、共通欠失領域(4q12、4q34、8p23、12q24、13q21、15q11、17p11)が確認された。これらは組織型が決定する以前に引き起こされているゲノム異常である可能性もあり、あるいは組織型に共通の悪性度獲得様式に関わるゲノム異常領域である可能性が示唆された。 また、予後に関連するゲノム異常領域も抽出できており、増加すると予後不良である領域(1q21、2p25)、欠失すると予後不良な領域(3p21-22、6p21、9q21、9q32、11p15.4、17q12-21)、あるいは、増加していると予後良好な領域(3p21)や、欠失していると予後良好な領域(5p15、5q21、15q21-22、15q25、18q21)が同定されている。本年度は、様々なバイオインフォマティクスによる統計解析処理を工夫改良し、臨床的に極めて有用と考えられる4つの領域を抽出した(5p15、6q21、9q32、17q21)。 今後の計画としては、これまでの途中解析結果を参考に臨床的に重要と考えられるゲノム異常パターンと、それに相関する遺伝子発現パターン等、他のモダリティーでの解析結果も合わせ、今回のゲノム異常の生物学的意義を解明してゆきたいと考えている。
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