2007 Fiscal Year Annual Research Report
bFGF徐放・口腔粘膜細胞・吸収性足場およびステントからなる人工食道に関する研究
Project/Area Number |
18591403
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
本山 悟 Akita University, 医学部, 講師 (60292372)
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Keywords | 人工食道 / 口腔粘膜上皮細胞 / 吸収性ステント / 生体吸収性基質 / bFGF |
Research Abstract |
本研究では自己の口腔粘膜細胞、ポリグリコール、ポリ乳酸を基本原料とする生体吸収性基質、さらに狭窄防止のための吸収性ステントを用いた。細胞増殖因子にはbasic fibroblast growthing factor(bFGF)ゼラチンシートを用いた。人工食道作成は以下のように行った。麻酔下にビーグル成犬の口腔粘膜を採取、口腔粘膜上皮を単離し培養した。これを円柱状の吸収性基質(足場)に培養、約2週間で細胞が生着し人工食道が完成された。ビーグル成犬での頸部食道移植を昨年度の延長で行った。麻酔下に大腿静脈より中心静脈カテーテルを挿入し移植手術後の栄養管理を行った。頸部食道を剥離、5cm切除しここに人工食道を移植した。移植直前に人工食道を取り出し、内腔をbFGF含有シートで被覆し、さらにその内側に吸収性食道ステントを留置し、消化管吻合を行った。最後に移植食道の外側をbFGF含有シートで被覆し閉創した。頸部食道置換では移植した人工食道は生着し、内腔は組織学的に食道上皮に覆われていた。食道筋層の再生は認められなかった。また上皮下には著しい炎症性肉芽組織が認められた。その一方で人工食道の狭窄が認められた。数匹のビーグル成犬を用いて実験を繰り返した全例で狭窄を認めた。このため移植実験後に経口摂取させることはできなかった。胸部食道置換を同様に試みたが、胸部食道置換では移植手術侵襲あるいは術後合併症のため移植実験を完遂できなかった。以上のように移植実験そのものは成功したが、臨床応用にあたって様々な問題が浮き出される結果となった。
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Research Products
(1 results)