2008 Fiscal Year Annual Research Report
結合組織常在性線維芽細胞の血管内皮細胞への分化誘導機構の解明:再生医療をめざして
Project/Area Number |
18591416
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
藤原 隆 Ehime University, 総合科学研究支援センター, 准教授 (30036496)
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Keywords | 血管新生 / 血管内皮細胞 / 線維芽細胞 / 角膜 / 再生医療 |
Research Abstract |
〔研究の背景及び目的〕血管再生医療は虚血に陥った組織等を再生する治療法として注目されている。これに必要な血管内皮細胞は末梢血の血管内皮前駆細胞を利用する試みはすでに臨床に応用されつつある。しかし、血管内皮前駆細胞は末梢血中には非常に少なく治療に必要な細胞を得るのは容易でない。我々は、結合組織常在性線維芽細胞が血管内皮前駆細胞に替わり得るものと考えて、その可能性を検討した。 〔方法〕二種類の実験を行った。 1)血管内皮細胞特異的蛋白質であるTie2遺伝子のプロモーターにGFP遺伝子を結合したTgマウス(Tie2-GFPマウス)の角膜固有質の組織片を摘出し、これを野生型マウスの角膜に移植し、硝酸銀焼灼により血管新生を惹起した。この数日後、角膜を摘出し、蛍光顕微鏡により観察、撮影した。 2)Tie2-GFPマウスの角膜細胞を培養し、これに硝酸銀焼灼により血管新生を惹起した角膜の抽出液を加え、培養細胞の変化を蛍光顕微鏡により観察した。 〔結果〕以下の結果が得られた。 1)新生血管にGFP陽性の内皮細胞が観察された。 2)野生型マウスの角膜細胞がGFP蛍光を発するのが観察された。 〔考察〕実験結果から角膜細胞、すなわち結合組織常在性線維芽細胞が血管内皮細胞に分化転換することが確認できた。このことにより、結合組織常在性線維芽細胞は血管内皮前駆細胞に替わって血管再生医療に血管内皮細胞の入手元として使用できるものと思われた。
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[Journal Article] Phospholipase C-deltal is an essential molecule downstream of Foxnl, the gene responsible for the nude mutation, in normal hair development.2008
Author(s)
Nakamura Y, Ichinohe M, Hirata M, Matsuura H, Fujiwara T, Igarashi T, Nakahara M, Yamaguchi H, Yasugi S, Takenawa T, Fukami K.
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Journal Title
FASEB J 22
Pages: 841-849
Peer Reviewed
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