2006 Fiscal Year Annual Research Report
熱ショックタンパクをターゲットとした悪性腫瘍に対する温熱治療の研究
Project/Area Number |
18591435
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菊森 豊根 名古屋大学, 医学部, 助手 (90402635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 常夫 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80252245)
中尾 昭公 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70167542)
小林 猛 中部大学, 応用生物学部, 教授 (10043324)
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Keywords | HER2 / 乳癌 / 温熱治療 / ヒートショック蛋白 |
Research Abstract |
【培養細胞実験】ヒト乳癌培養細胞における温熱効果と熱ショックタンパク(HSP)阻害剤である17-AAGの相互作用を検討した。 1.培養乳癌細胞に対して48度程度の温熱を加え、至適な細胞増殖抑制効果が得られる時間を検討し、30分が至適時間であることが判明した。15分の加熱では有効な細胞増殖抑制効果は認められなかった。 2.HSP阻害剤を加え、48度程度の温熱を加えて、HSP阻害剤の温熱効果増感作用を検討し、HSP阻害剤非存在下では有効で無かった15分加熱でも充分細胞増殖抑制効果を認めた。 【動物実験】ヒト乳癌細胞移植ヌードマウスモデルにおける温熱効果を検討した。 1.ヒト乳癌培養細胞のヌードマウスへの移植、腫瘍形成:Her2強発現株であるMDA-MB-361、SKBr3、BT-474、Her2弱発現株であるMBA-MB-231、MCF-7をヌードマウス(nu/nu Balb/c)へ移植し皮下腫瘍を形成させた。 2.上記の皮下腫瘍にHer2を認識する抗体を表面に結合させたマグネタイトを内包するリポソーム(HML)を局所投与し、1週間後に摘出しマグネタイトが十分に残留していることを鉄定量および鉄染色により確認した。 3.HMLを局所投与された皮下腫瘍に交番磁場を印加することにより、有効な腫瘍温上昇効果を認めた。 4.HMLを局所投与され、交番磁場により加温された腫瘍は経時的に縮小し、その縮小効果は加温後4週以上にわたり維持された。 以上の結果は平成19年度の日本外科学会総会、日本乳癌学会総会にて発表予定である。
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