2007 Fiscal Year Annual Research Report
K-ras系シグナルの抑制を目指したlet-7誘導ベクターによる癌遺伝子治療
Project/Area Number |
18591437
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
石川 真也 Kagawa University, 医学部, 助教 (20363210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 政龍 香川大学, 医学部, 准教授 (10271511)
劉 大革 香川大学, 医学部, 助教 (30314941)
横見瀬 裕保 香川大学, 医学部, 教授 (80231728)
上野 正樹 香川大学, 医学部, 准教授 (30322267)
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Keywords | let-7 / K-ras / 遺伝子治療 / アデノウィルスベクター / micro RNA |
Research Abstract |
let-7はmicro RNAで、この発現減弱がヒト癌遺伝子K-rasの蛋白の過剰発現を起こすことが報告された。このK-ras蛋白の過剰発現は、様々なシグナル系を介し、腫瘍増殖及び血管新生を促進する。そこで、我々はlet-7発現誘導ウィルスベクターによる癌遺伝子治療の研究を行ってきた、まず、ヒト癌細胞株におけるlet-7発現を評価するために、様々なヒト癌細胞株におけるlet-7発現を測定し、A549がlet-7保持癌細胞株で、MAC10がlet-7低発現癌細胞株と判定した。我々はlet-7発現誘導ベクターの作製を、shRNA(short hairpin RNA)タイプで行った。let-7配列を含むshRNA配列を、pBApo-CMVベクターに組込み、let-7発現プラスミドベクターMIRO9を作製した。このMIRO9ベクターをリポフェクション法によりlet-7低発現細胞株MAC10にトランスフェクションしたところ、let-7発現の誘導が良好にみられた。そこで、我々は更let-7発現アデノウィルスベクターの作製も行った。このMIRO9ベクターからEcoR Vで「CMV IE promoter+shRNA配列」を切出し、pAxcwitコスミドベクターに組入れ、COS-TPC法によりlet-7発現アデノウィルスベクターlet7-Ad5を作製した。ベクターの構造確認とlet-7の発現誘導を確認後、このlet7-Ad5ベクターを塩化セシウム法で濃縮・精製した。In vitroの遺伝子治療実験として、let-7低発現癌細胞株MAC10にこのlet7-Ad5ベクターを導入したところ、let-7の発現誘導とMTTアッセイにおける癌細胞増殖抑制効果がみられた。そして、その機序として、let-7誘導によるK-ras蛋白とc-Myc蛋白の発現抑制が示された、現在、他のlet-7低発現癌細胞株を用いて、このlet-7誘導ベクターによる抗腫瘍効果を追加検討中である。更に我々はMAC10細胞をヌードマウスに移植し担癌モデルを作製し、let-7誘導ベクターによるin vivo遺伝子治療実験も行っており、現在ベクターの投与量を含めて追加実験中である。
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