2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591438
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
上野 正樹 Kagawa University, 医学部, 准教授 (30322267)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 真也 香川大学, 医学部, 助教 (20363210)
横見瀬 裕保 香川大学, 医学部, 教授 (80231728)
|
Keywords | 遺伝子治療 / thymidylate synthase / 5-FU / アデノウィルスベクター / RNA干渉 / 化学療法 |
Research Abstract |
Thymidylate synthase(TS)は5-FU系抗腫瘍剤の標的分子で、TS高発現が5-FU抵抗性の要因であることを我々はみいだした(Nakano、 et al,Br J Cancer 2006)。そこで、我々はTS高発現の固形癌患者に対する5-FU系抗腫瘍剤増感療法として、TS発現抑制ベクターと5-Fuの併用療法の研究を行っている。まず、Ts発現抑制に最適なsiRNA配列を決定するために、合成siRNAを作製した。リポフェクション法でこれら合成siRNAをTs高発現細胞株A549とMAC10に導入し、ノックダウン効率が最も高いsiRNAを決定した。このsiRNA配列を元にshRNA(short hairpin RNA)配列を設計し、これをヒトU6プロモーター搭載pBAsi-hU6 DNAプラスミドベクターに組入れ、 Ts抑制shRNA発現プラスミドベクターTA0379を作製した。そして、このshRNA発現プラスミドベクターTA0379からヒトU6プロモーターとshRNA配列を切り出し、COS-TPC法によりTS挿制shRNA発現アデノウィルスベクター(TSshRNA-Ad5)を作製した。 TS高発現細胞株A549とMAC10にTSshRNA-Ad5を導入させたところ、両細胞ともTS遺伝子発現について90%以上のノックダウンを認めた。そこで、このTSshRNA-Ad5ベクターを濃縮・精製し研究を進めた。次に、A549とMAC10で、TSshRNA-Ad5ベクターと5-FU投与による抗腫瘍効果をMTTアッセイで評価したところ、5-FU+TSshRNA-Ad5併用投与群が、それぞれの単独投与群より抗腫瘍効果が高いことが両細胞で認められた。これを更に確認するために、現在我々は5-FU耐性癌細胞株(NUGC-3/5-FUなど)を用い、同様なinvitroのTS発現抑制ベクターと5-FUの併用療法について追加実験を行っている。更に、5-FU耐性癌細胞株NUGC-3/5-FUなどを用いた担癌ヌードマウスも作製し、in vivoのTS発現抑制ベクターと5-FUの併用療法の実験も現在同時に行っている、また、我々は腫瘍内のE2F1過剰発現がTS発現を誘導していることもみいだした(Huang、 et al,Clin Cancer Res2007)。
|