2006 Fiscal Year Annual Research Report
健常人樹状細胞由来エキソゾームを応用した標準化樹状細胞ワクチン療法の開発
Project/Area Number |
18591440
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森崎 隆 九州大学, 大学院医学研究院, 非常勤講師 (90291517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片野 光男 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (10145203)
馬場 英司 九州大学, 大学病院, 助手 (00315475)
小島 雅之 九州大学, 大学病院, 助手 (90380394)
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Keywords | 樹状細胞 / エキソゾーム / ワクチン / 標準化 / 癌治療 / 分子移植 |
Research Abstract |
本研究の目的は、個人差の小さい一定の抗原提示能を有する治療用の樹状細胞を調整する方法の開発であり、特徴はその手段として健常人由来の樹状細胞の分泌するexosomeを利用する点である。 本年度における結果を研究計画に従って報告する。 1)DC由来exosomeの質的・量的評価法の開発: 6人の健常人DC由来exosomeを遠心操作により部分精製し、この分画を標的として、DC自身に特異性が高く抗原提示に関連したMHC class II分子、CD80分子、CD86分子、ICAM-1分子等の発現をFACSおよびwestern blot法により測定した。その結果、健常人exosome上には非常に高密度かつ高い均一性をもってこれら分子が発現していることが再確認された。 次いで、抗原提示能の低下した進行癌患者由来DC由来exosomeを標的として同様の検討を行った結果、MHC class II分子の発現強度と発現頻度の低下が認められ、ワクチン療法のDC由来exosomeの質的・量的評価にはMHC class II分子発現状況がマーカー候補分子である可能性を得た。 2)Exosomeの単球のDC分化およびDC機能に及ぼす効果の解析: この計画のひとつの柱となった、健常人DC由来exosomeによるCD4陽性T細胞の寿命延長および癌患者単球のDCへの分化誘導作用が再確認された。 本研究期間において、癌性腹水中exosome様分画に制御性T細胞の細胞寿命延長作用を示唆するデータを得た。制御性T細胞はワクチン療法においては負の作用をする可能性があり、健常人DC由来exosomeに同様の作用が存在するかどうか確認中である。 3)その他: アデノウイルスベクターによるDCへのCEA遺伝子導入によりDC由来exosome上へのCEA発現誘導の可能性を示唆するデータを得た。
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