2006 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌の抗癌剤感受性に影響を及ぼすDNA修復機構の解析
Project/Area Number |
18591446
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
太田 智彦 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (60233136)
|
Keywords | BRCA1 / BARD1 / 家族性乳癌 / ユビキチンリガーゼ / Nucleophosmin / RINGフィンガー / RPB8 |
Research Abstract |
家族性乳癌および卵巣癌の原因遺伝子であるBRCA1はDNA修復を含む多くの癌抑制経路を統括制御するハブ蛋白質である。BRCA1はBARD1と2量体としてユビキチンリガーゼという酵素活性を有するが、申請者らはその基質としてヌクレオフォスミン(NPM)とRNAポリメラーゼの共通サブユニットであるRPB8を同定した。本研究ではBRCA1-BARD1による基質のユビキチン化が抗癌剤感受性に与える影響について解析している。RPB8に関しては新たに1)内因性のRPB8とBARD1の結合、2)精製したタンパク質によるin vitroにおけるRPB8のユビキチン化、3)RPB8のユビキチン化はLys6-結合型ユビキチン鎖によること、4)siRNAによるBRCA1のノックダウンによって紫外線照射後のin vivoのRPB8のユビキチン化が抑制されること、5)siRNAによるBRcA1のノックダウンによって内因性のRPB8の細胞内半減期が短縮すること、6)RPB8のユビキチン化しない変異体を安定的に発現するHeLa細胞株のDNA傷害にたいする感受性が充進する際に、p53のSer15のリン酸化が誘導され、Caspase3の活性が上昇していること、を見出した(Cancer Res.,67:951,2007)。NPMに関してはBRCA1によってユビキチン化されないNPM変異体とその安定的発現細胞株を作成した。また、臨床検体を用いた研究としては聖マリアンナ医科大学の生命倫理委員会へもヒトゲノム遺伝子解析研究部会・臨床試験部会で了承を得て、患者の同意を得た後、術前化学療法施行前後の乳癌組織を採取し、DNA修復機構関連因子の解析を行つそおり、現在までに41例の組織を採取した。
|