2007 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌の抗癌剤感受性に影響を及ぼすDNA修復機構の解析
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18591446
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
太田 智彦 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 准教授 (60233136)
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Keywords | BRCA1 / BARD1 / 家族性乳癌 / ユビキチンリガーゼ / Nucleophosm / RINGフィンガー / RPB8 |
Research Abstract |
本研究は乳癌の抗癌剤感受性に影響を及ぼすDNA修復機構を明らかにする目的で家族性乳癌および卵巣癌の原因遺伝子産物であるBRCA1による基質のユビキチン化がDNA損傷応答に果たす役割を解析することを目的とした。申請者らはBRCA1の基質としてヌクレオフォスミン(NPM1)とRNAポリメラーゼの共通サブユニットであるRPB8を同定した。平成19年度はNPM1を中心に解析を行った。BRCA1によってユビキチン化されないNPM1変異体とその安定的発現細胞株を作成したが、NPM1のユビキチン化を抑制するためには23個のLys残基をArg残基に変異させなければならず、この中にはSUMO化部位も含まれるため、BRCA1によるユビキチン化が欠損した表現型を正確にみることはできないことが判明した。BRCA1によるNPM1のユビキチン化が果たす役割としてDNA損傷後のヒストンシャペロン活性を変化させる可能性が考えられたため、これをin vitroにて証明する手段として、in vitroにおけるNPM1のユビキチン化の系を確立した。さらにBRCA1がE2としてUbcH5以外にUbe2w/Ubc13/Mms2とも活性をもち、この際に生じるユビキチン鎖はDNA損傷修復に必須なLys6結合型であることが報告されたため(Nat Struct Mol Biol.14:941-8,2007)この系に必要なリコンビナント蛋白質、NPM1,BRCA1-BARD1,Ube2w,Ubc13,Mms2全てを精製し、これらを用いたin vitroにおけるNPM1のユビキチン化の系を確立した。
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Research Products
(8 results)