2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591449
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
原田 守 島根大学, 医学部, 教授 (50260716)
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Keywords | 癌 / 免疫学 / 抗原 / ペプチド |
Research Abstract |
上皮性癌の腫瘍マーカーとして知られているセルピンファミリーに属する扇平上皮癌抗原(SCCA)を標的とした癌ペプチドワクチン療法を確立するために、日本人の6割が発現するHLA-A24分子に提示され、癌細胞反応性細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を誘導できるSCCA由来ペプチドの同定に取り組んだ。その結果、1、食道癌、肺癌、子宮頭癌、頭頚部癌などの上皮性癌細胞株でのSCCA mRNAの発現をリアルタイムPCR法で検討することにより、大部分の扇平上皮性癌細胞株でのSCCA mRNAの発現が確認出来た。一方、腺癌細胞株での発現の頻度は低かった。2.種々の癌組織でのSCCA蛋白の発現を免疫組織染色で検討したところ、大部分の扇平上皮性癌組織に発現していることが確認されたが、一部の正常上皮にも発現していた。3、HLA-A24分子への結合モチーフに基づいてSCCA蛋白由来抗原ペプチドを準備し、HLA-A24分子陽性の癌患者の末梢血リンパ球をSCCA抗原ペプチドで繰り返し刺激して、ペプチド特異的CTLを誘導できるかを検討したところ、SCCA 112-120とSCCA 215-224ペプチドを用いた場合には、SCCAペプチド反応性CTLを誘導できることが判明した。4、SCCA 112-120 SCCA 215-224ペプチドで誘導したSCCAペプチド反応性CTLは、HLA-A24陽性でSCCA 蛋白を発現している上皮性癌細胞に対して、HLAクラスI拘束性に細胞傷害活性を示すことを明らかにした。
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Research Products
(6 results)