2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591449
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
原田 守 Shimane University, 医学部, 教授 (50260716)
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Keywords | 癌 / 免疫学 / 抗原 / ペプチド |
Research Abstract |
上皮性癌の腫瘍マーカーとして知られているセルピンファミリーに属する扁平上皮癌抗原(SCCA)を標的とした癌ペプチドワクチン療法を確立するために、日本人の4割が発現するHLA-A2分子に提示され、癌細胞反応性細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を誘導できるSCCA由来ペプチドの同定に取り組んだ。1)HLA-A2分子への結合モチーフに基づいてSCCA蛋白由来の合成ペプチドを複数個準備し、HLA-A2分子の発現を確認した癌患者の末梢血リンパ球をSCCA抗原ペプチドを用いて繰り返し刺激し、SCCAペプチド特異的CTLの誘導の有無をIFN-gamma ELISA法で検討した。その結果、有用な候補ペプチドを絞り込めた。さらに、これらのSCCA候補ペプチドで誘導したCTLが、HLA-A2陽性SCAA陽性扁平上皮癌に対して細胞傷害活性を示すか検討したところ、必ずしも特異的な細胞傷害活性を示さなかった。CTLの細胞株化やクローニングが必要と考えられた。また、2)多種類の上皮性癌細胞株(扁平上皮癌と腺癌)でのSCCA蛋白の発現をWestern blot法で検討した。その結果、SCCA蛋白の発現は、扁平上皮癌では大部分の細胞株に認められたが、腺癌での発現は稀であったことから、腺癌に対しては、SCCAを標的とした癌ペプチドワクチンは適応しづらいことを明らかにした。
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Research Products
(14 results)