2006 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌細胞における組織適合性抗原の発現と長期予後についての研究
Project/Area Number |
18591454
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西森 孝典 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (30401003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 一之 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (90344994)
朝長 毅 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教授 (80227644)
落合 武徳 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (80114255)
野村 文夫 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (80164739)
島田 英昭 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (20292691)
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Keywords | 組織適合性抗原 / HLA-DR抗原 / サイトカイン / c-myc遺伝子 / ヘルパーT細胞 |
Research Abstract |
大腸癌切除症例53例を対象に癌細胞のDR抗原発現を免疫組織学的に検討し、Coxハザードモデルによる多変量解析により予後に与える影響を検討した。また、インターフェロン-γ(INF-γ)産生と、INF-ガンマにより抑制されるc-myc遺伝子との関連を調べた。また、癌組織の間質に浸潤しているTリンパ球の性状・数と癌細胞のDR抗原発現の関係を調べた。 (1)大腸癌細胞におけるDR抗原の高発現群は低発現群に比べ有意に予後良好であった。(P=0.034,Iog-rank test) (2)多変量解析では大腸癌細胞のDR抗原発現が、stage分類と同程度の独立予後因子であった。 (3)組織中にINF-γのmRNAが強く検出された癌では、c-myc遺伝子mRNAの発現が有意に抑制されていた。 (4)大腸癌組織中のINF-γとc-myc遺伝子の発現は、単・多変量解析で予後因子とならなかった。 (5)大腸癌細胞に発現するDR抗原は局所におけるINF-γ産生の良い指標となった。 以上より、INF-γの産生の見られる癌組織中ではc-myc遺伝子の発現が抑制されており、局所免疫賦活により癌細胞にDR抗原を発現させることで予後の改善が期待できる。同意書を得た投下での手術症例100例に対し、免疫染色によりDR抗原の発現を確認し、長期予後との関係を次年度に検討する。
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