2006 Fiscal Year Annual Research Report
poly-ADP-リボシル化の大腸癌発生・進展への関与の解明と診断・治療への応用
Project/Area Number |
18591456
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鍋谷 圭宏 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (40322028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 公俊 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (60164703)
落合 武徳 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (80114255)
盛永 直子 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教授 (20092108)
清水 健 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (70312840)
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Keywords | 大腸癌 / ADP-リボシル化 / 蛋白質 / 外科 |
Research Abstract |
【緒言と目的】poly-ADP-ribosylation(以下PAR)はDNAの複製や細胞のapotosisと関連し、発癌への関与が報告されている。特に、これまで種々の癌腫において約113kDaの蛋白質がPARを受けることが知られている。われわれはこれまで、ヒト大腸癌組織において複数の蛋白がPARを受けることを見出し、報告してきた(日外会誌107臨時増刊号2,465,2006)。その後、このPARとヒト大腸癌の発癌・進展との関連を究明するために、細胞質画分でPARを強く受ける約113kDaの蛋白質に注目してその精製・同定を試みた。 【方法】当科で切除された大腸癌手術標本から癌部および正常粘膜組織を採取し、粗精製は陰イオン交換カラムを用いたクロマトグラフィーで行った。粗精製された蛋白質の解析はTOF/MSにて行い、免疫沈降法により確認、同定した。PARのレベルは[adenylate-^<32>P]-nicotinamide adenine dinucleotide(NAD)を用いて測定した。 【結果】ヒト大腸癌組織の細胞質画分において約113kDa蛋白質は特に強くPARを受け、粗精製とTOF/MS解析により、この蛋白質はtumor rejection antigen gp96である可能性が示唆された。さらにこの蛋白質が受けるPARのレベルは、非癌部に比して癌部で増強している傾向が認められた。 【考察と展望】gp96が受けるPARが大腸の非癌部に比して癌部で強いとすれば、ヒト大腸癌の発癌や進展に関与している可能性がある。今後は、本蛋白質がgp96であることを確認し、gp96そのものの発現量やPARを担う酵素poly(ADP-ribose)polymerase(PARP)の発現量を癌部と非癌部で詳細に比較して、ヒト大腸癌発生におけるPARの役割を解明していきたい。
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