2007 Fiscal Year Annual Research Report
核酸・葉酸代謝関連酵素の包括的遺伝子解析による消化器癌の個別化医療開発
Project/Area Number |
18591458
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
川上 和之 Kanazawa University, がん研究所, 准教授 (00293358)
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Keywords | 大腸癌 / DNAメチル化 / methylator phenotype / LINE-1 / GGH |
Research Abstract |
DNAメチル化の異常と核酸、葉酸代謝の変化との関連を理解するため,オーストラリア人の大腸がん114検体を対象として,核酸、葉酸代謝にかかわる17遺伝子のmRNA発現を定量した。同時にCACNAIG,IGF2,NEUROG1,RUNX3,SOCS1のプロモーターメチル化を解析し,CpG island methylator phenotype(CIMP)と各遺伝子発現の関係を検討したところgamma-glutamyl hydrolase(GGH)のmRNA発現はCIMP癌で有意に低値であった。この関連を確認する目的で,日本人の大腸がん150検体を対象としてCIMP癌の判定を行った。CIMP+と判定された14検体と,CIMP-と判定された79検体を対象としてGGH mRNAを定量したところ,日本人の大腸がんでもGGH mRNAはCIMP癌で低いことが確認された。GGHは葉酸代謝の中心的酵素であることから,大腸がんにおけるDNAメチル化の獲得、維持には葉酸代謝の破綻が少なからず関連していると考えられた。 上記のプロモーター領域におけるDNAメチル化の解析に並行して,非遺伝子領域でのDNA低メチル化の判定法を開発した。開発した解析法により110例の大腸がん症例を解析したところ,DNA低メチル化は有意な予後不良因子であった。37検体でDNA低メチル化と18番染色体長腕のloss of heterozygosity(LOH)を解析したところ,DNA低メチル化はLOH陽性の大腸がんでより高頻度に認められた。この結果は,DNAの低メチル化がゲノム不安定性の要因になるとの予測と一致し,癌の予防においてDNAメチル化の維持が重要であることを示した。
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Research Products
(10 results)