2006 Fiscal Year Annual Research Report
癌抑制遺伝子のプロモーター領域異常メチル化を用いた癌の早期診断への臨床応用
Project/Area Number |
18591460
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高橋 孝夫 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (90332684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳山 泰治 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (00422717)
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Keywords | 癌抑制遺伝子 / 異常メチル化 / 3OST2 / RUNX3 / CHFR / 大腸癌 |
Research Abstract |
癌抑制遺伝子のプロモーター領域の異常メチル化は発現低下を導き、遺伝子の不活化をきたすことは報告されてきている。この研究における目的は癌抑制遺伝子(関連遺伝子)の異常メチル化に注目し、将来的に消化器癌の診断、特に早期癌診断への応用につなげることである。まず本研究に関し本学の倫理委員会で承認され、患者様の同意を得た上で大腸癌症例の癌および正常組織標本を採取した。約200サンプル(100正常大腸組織、100大腸癌組織)からDNAを抽出した。現在もサンプルが増加しているためDNA抽出を継続的に施行している。DNA量を計測し、DNAの質をチェックし、バイサルファイト処理を行った。RUNX3,CHFR,3OST2,CDH13(H-cadherin)についてMethylation Specific PCR(MSP)にて異常メチル化の有無を解析することとした。9種類の大腸癌細胞株(LoVo、LS174T、SW1417、SW480、COLO320DM、RKO、HCT116、DLD1、HCT15)を用いて、MSPの条件設定を行い、CDH13を除き、3種類の癌関連遺伝子のMSP条件は設定しえた。大腸癌組織、および同一症例の対応する正常大腸粘膜を30サンプル(15症例)でそれぞれの遺伝子の異常メチル化の有無を解析した。3OST2遺伝子は15大腸癌検体中9例(60%)が陽性であった。しかし正常組織においても15検体中3例(20%)が陽性となった。正常組織でメチル化を認めた症例は癌組織においても同様にメチル化していた。RUNX3はメチル化の頻度が低く、大腸癌15検体中1例(7%)のみ陽性を示し、正常組織では全例陰性であった。CHFRは、大腸癌15検体中3例(20%)が陽性を示し、正常組織では全例陰性であった。現在残りのサンプルのMSPデータ解析中である。
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