2006 Fiscal Year Annual Research Report
形態形成シグナル系のクロストークを利用した大腸癌治療法の開発
Project/Area Number |
18591468
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
能城 浩和 九州大学, 大学院医学研究院, 非常勤講師 (90301340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 真 九州大学, 大学病院, 助手 (60403961)
小島 雅之 九州大学, 大学病院, 助手 (90380394)
壬生 隆一 九州大学, 医学部, 教授 (20200107)
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Keywords | 大腸がん / Wntシグナル / Hedgehogシグナル / 形態形成シグナル / Gli1遺伝子 / 大腸がん治療 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「大腸がんにおいてはWntシグナルとHedgehog(Hh)シグナルが互いに抑制関係にある」という作業仮説をもとに、形態形成シグナル系を標的とした新たな大腸がん治療法を開発することである。 本年度は、計画した事項をほとんど明らかにすることができた。以下、本年度の計画に沿って結果を報告する。 1)大腸がん組織におけるWntシグナルおよびHhシグナルの活性化の評価: 40例の手術時摘出大腸がん組織を用いてWntシグナル活性化(b-cateninの核内移行率)とHhシグナル活性化(Gliの染色性)の関連を免疫組織染色にて解析し、両者の逆相関(P=0.014)を確認した。 2)大腸がん細胞株によるWntシグナルとHhシグナルのクロストークの検討: Wntシグナルの活性化を示す大腸がん細胞にGli1遺伝子を導入し、Wntシグナルの抑制をレポーターアッセイにて、b-cateninの核内移行の抑制をwestern blotおよび免疫蛍光染色にて確認した。 3)WntシグナルとHhシグナルのクロストーク機序の解析: Wnt, b-cateninなどの遺伝子を導入し、Wnt系をさらに活性化する系で、Gli1遺伝子導入がこれら強制的に活性化したWnt活性を抑制すること、特に、Gli1遺伝子導入により、変異b-catenin強制発現系においてもWntシグナル系を抑制しうるという興味深いデータを得た。 4)Wntシグナル活性化大腸がん細胞に対するHhシグナル活性化療法の開発: Wntシグナル活性化大腸がん細胞へのGli1遺伝子導入による細胞増殖抑制をcolony formation法にて確認した。 これら、成果は論文にて発表した(GUT 55:991-999, 2006)。
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Research Products
(1 results)