2006 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌の化学放射線療法関連遺伝子の解析と微小転移巣への効果
Project/Area Number |
18591470
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大脇 哲洋 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50322318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏越 祥次 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (70237577)
愛甲 孝 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60117471)
松本 正隆 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (40398293)
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Keywords | リンパ節転移 / 微小転移 / サイトケラチン染色 / RT-PCR / 放射線療法 / 化学療法 / 食道癌 |
Research Abstract |
食道癌の根治切除後に外来で経過観察がされている106例を対象とし,血中遊離癌細胞の検出をRT-PCR法を用いてCEA-mRNAの測定により行い,腫瘍マーカー(血清CEA, SCC)と比較した.CEA-mRNA陽性を39例(36.8%)に認め,深達度、リンパ節転移、臨床病期、血管侵襲と有意に相関がみられた。画像診断による再発は34例に確認され,CEA-mRNA陽性例を28例(76.5%)に認めた.この28例中CEA-mRNA陽性所見が画像再発診断より先行、同時、後行であった症例は各々18例(52.9%)、8例(23.5%)、2例(5.9%)であった。CEA-mRNAの再発に対する感度、特異度、陽性適中率、陰性適中率はいずれも血清CEA、SCCより高かった。現在化学放射線治療中の症例について血中遊離癌細胞の検出と治療効果について症例を蓄積中である.食道癌で術前化学放射線治療群と手術単独治療群の無作為化比較試験を行った.これらの両群のリンパ節微小転移の頻度や臨床病理学的因子,予後との関連について解析中である.化学放射線治療の感受性および耐性に関して,治療前生検組織を用いてreal-time RT-PCR法および免疫染色法により検討中であるが,p53,p53R2,14-3-3sigmaの蛋白発現と,cox-2のm-RNAの発現と治療効果との関連が認められている.さらに細胞周期のG2-M期の調節因子の一つであるAurora-AやCyclin B1の発現について解析中である.これらの因子のうち,p53R2遺伝子について,食道癌細胞株(TE細胞)へのcDNA導入株を作製し親株との放射線感受性変化を比較検討中である.さらに、感受性因子または耐性因子の高発現株に関しては、siRNAによるノックダウン株を作成したのち同様の変化を観察中である.
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