2007 Fiscal Year Annual Research Report
KGFR阻害剤およびTGFβR阻害剤を用いた胃癌転移の分子標的治療開発
Project/Area Number |
18591475
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
八代 正和 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 講師 (60305638)
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Keywords | スキルス胃癌 / 分子標的治療 / FGF-R2 / K-samII |
Research Abstract |
スキルス胃癌の病態にもとづいた新しい分子標的治療の可能性を検討した。スキルス胃癌はチロシンキナーゼ型FGF-R2と相同性のあるK-samII遺伝子が増幅し、FGF7/FGF-R2シグナルが癌細胞増殖に関与していること、またセリンスレオニン型TGFβ/TGFβ-Rシグナルが癌細胞の浸潤転移に関与していることを報告した。そこでこれらFGF-R2およびTGFβRの阻害剤の有用性を検討した。 【材料と方法】 1).FGF、R2阻害剤:FGF-R2/K-samIIリン酸化阻害剤Ki23057を用い、胃癌細胞の増殖抑制効果を検討した。さらに、FGF-R2、ERK,Aktリン酸化阻害を検討した。in vivoでは、マウス腹膜転移モデルを作成し、Ki23057経口投与による転移抑制効果を検討した。 2).TGFβ-R阻害剤:TGFβ-R阻害剤A-77を用いた。胃癌リンパ節転移モデルを作成後、A-77腹腔内投与群、S-1経口投与群、A-77およびS-1併用群間の腫瘍面積と転移リンパ節数を比較検討した。 【結果】1)Ki23057は、スキルス胃癌細胞の発現するFGF-R2、MAPK系およびPI-3系のリン酸化を阻害し、癌細胞増殖を抑制した。Ki23057の経口投与により、腹膜播種転移マウスの生存率を有意に延長した。2)control(非投与)群に比し、A-77投与群、S-1投与群、A-77/S-1併用群において胃腫瘍およびリンパ節転移が有意に抑制された。 【結論】FGF-R2阻害剤Ki23057およびTGFβR阻害剤A-77はスキルス胃癌の分子標的治療に有用であることが示唆された。
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