2006 Fiscal Year Annual Research Report
胃切除における胃運動解析 -カハールの介在細胞の胃壁分布と胃電図解析による-
Project/Area Number |
18591487
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meiji College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
糸井 啓純 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 教授 (80203123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神山 順 明治鍼灸大学, 保健医療学部, 講師 (20257538)
窪田 健 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 講師 (70388180)
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Keywords | 外科 / 細胞・組織 / 胃切除 / カハールの介在細胞 / 胃電図 |
Research Abstract |
胃癌治療は胃癌治療ガイドライン(日本胃癌学会編)などで標準化され,手術適応がより明確になっている.しかし,早期胃癌を除くと手術は依然として広範囲の胃切除とリンパ節郭清(D2)が主体であり,胃癌を根治しえた患者は術後に様々な愁訴で悩まされる現実がある。本研究においては,従来からの交感神経,副交感神経(迷走神経)からみた胃機能ではなく,その神経終末に位置していると考えられる胃平滑筋近傍にあるカハールの介在細胞(Interstitial cells of Cajal, ICC)に着目して,胃機能を司るとされるペースメーカ機構を形態学的に同定するとともに,胃運動を胃電図による電気シグナルとして解析を試み,胃切除の切離線と胃機能の関係を客観的に見出そうとするものである。さて,従来の検討で,共同研究者の今井は胃全摘で胃固有のペースメーカがもつ3cycle/min(cpm)のシグナルが消失すること,また,いわゆる「胃亜全摘術」をおこなうと同様にシグナルが消失する症例,残存する症例があることをすでに報告している。すなわち,胃の特定部位にペースメーカが存在することが推察される. 本研究の研究期間は2年間であるが,初年度の平成18年度はまず,カハールの介在細胞の胃壁内分布を免疫組織学的手法によって形態学的に解析することを試みた.本研究機関附属病院で手術を施行し,胃電図を計測した症例の切除胃パラフィンブロックで検討を実施している。現在,正常組織におけるカハールの介在細胞の同定について検討中であるが,その染色性などについての問題点を検討しつつある.平成19年度においてはさらに多くの症例について解析する計画である.
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