2006 Fiscal Year Annual Research Report
アクチビン-フォリスタチンシステム制御による新たな肝虚血再灌流障害対策の開発
Project/Area Number |
18591516
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森根 裕二 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60398021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 正彦 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (20380040)
居村 暁 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90380021)
島田 光生 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10216070)
中村 隆範 香川大学, 医学部, 教授 (70183887)
三宅 講太朗 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (20403727)
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Keywords | 肝虚血再灌流障害 / 肝切除 / 肝移植 / アクチビン / フォリスタチン / PCR / 免疫染色 / サイトカイン |
Research Abstract |
背景・目的)肝虚血再潅流障害は術後肝障害発症の最も重要な因子の一つである。最近では心臓、腎臓に対する虚血再潅流障害をactivinが促進しfollistatin投与による組織保護効果が報告されているが、肝虚血再潅流障害におけるfollistatin-activin系の関与とその投与効果についての報告はいまだない。以上から肝虚血再潅流におけるactivin-follistatin systemの関与について検討しactivin、follistatinの投与による障害軽減効果について検討する。 方法・結果) ・ラット肝虚血再灌流障害モデルの作成 Wistar Rat 7週齢を用いて、全肝を30miniクリッピングするモデル(全肝温虚血モデル)、さらに肝左葉(左外側葉、左内側葉)を30minクリッピングした後、肝右葉・尾状葉を切除する(30%肝切除)モデル(部分肝温虚血モデル)を作成した。 ・フォリスタチン投与効果(部分肝温虚血モデル) 投与群は再灌流直後、follistatin 1ug/bodyを投与しコントロール群と術後経時的に肝障害について検討した。血清は各種肝機能検査を施行し肝臓は一部RNAを採取、また病理学的検査も行って以下の検討を現在行っている。 ・fluvastatin投与効果(全肝温虚血モデル) 血管・臓器を保護するVascular statinとして注目されているHMG-CoA還元酵素阻害薬であるfluvastatinの投与により肝逸脱酵素上昇の改善は認めないもののRT-PCRによりeNOSやNADPHの発現増強を確認した。 ・因_蕎湯投与効果(全肝温虚血モデル) 胆汁分泌・排泄促進作用を有する因_蕎湯の虚血前投与により肝逸脱酵素上昇の改善を認めた。 今後の予定) ・各種肝機能検査の比較 ・real time PCRや免疫染色を用いてactivin-follistatin発現の比較。またNO、ROS、各種サイトカイン、HO-1、HSP70についても比較検討する予定である。 ・肝移植モデルの作成 同様の手技によって肝虚血再灌流障害について評価する予定である。 これらの検討により肝虚血再灌流障害におけるactivin-follistatin systemの関与について解明する。
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