2007 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞におけるNOによるIRS-1ユビキチン化の分子生物学的メカニズムの解明
Project/Area Number |
18591517
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
杉田 裕樹 Kumamoto University, 医学部附属病院, 講師 (30398218)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 秀夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20240905)
|
Keywords | NO(一酸化窒素) / IRS-1 / IGF / insulin / ユビキチン / Akt / 膵癌 / GSK3 |
Research Abstract |
1.癌細胞において、NOによるIGF-R/IRS-1/PI3-K/Akt系シグナルおよびMAPKシグナルへの効果 膵癌細胞MIAPaCa-2においてNO donorはIGFシグナルおよびinsulinシグナルをIRS-1,Akt,GSK-3のレベルにおいて抑制した。一方NO donorによってErkのリン酸化は活性化した。 2.NOによるIRS-1のユビキチン化 膵癌細胞において、proteasomeinhibitorはNOによるIRS-1のdegradationを抑制したことから、膵癌細胞においてNOはIRS-1のユビキチン化と蛋白分解に関与している可能性が示唆された。IRS-1のdelationmutantを作成し、NOによる蛋白分解に重要な部位を同定した。 '3.NOの癌細胞増殖へ影響 膵癌細胞MIAPaCa-2においてIRS-1安定発現株、およびIRS-1dominant negative安定発現株を樹立しIGFシグナルおよびNOによる増殖抑制についてコントローと比較した。IRS-1安定発現株はコントロールと比べIGFシグナルが活性化し、細胞増殖も早く、IRS-1 dominant negative安定発現株はコントロールと比べIGFシグナルが抑制され細胞増殖も遅かった。NOによる増殖抑制効果はIRS-1安定発現株で最も高かった。 <まとめ>これらのことより膵癌細胞においてNOはIRS-1発現を抑制等によってIGFシグナルを抑制することで細胞増殖を抑制している可能性が示唆された。
|
Research Products
(3 results)