2006 Fiscal Year Annual Research Report
NF-κb Decoyを用いた過大肝切除後肝不全の制御
Project/Area Number |
18591521
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
渡曾 伸治 横浜市立大学, 医学研究科, 準教授 (10244477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 哲也 横浜市立大学, 附属病院, 助手 (60404985)
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Keywords | 過大肝切除 / サイトカイン / NF-κB / アポトーシス / 肝再生 / IL-6 / TN-α |
Research Abstract |
まずBALBcAマウスを用いて肝切除70%生存モデルと90%致死モデルを作成し従来の研究と同様な生存率が得られることを確認した。次に90%致死モデルに対しNFκBの選択的阻害を行った。阻害の方法としてNF-κB decoy Oligonucleotideを用いてHVJ-liposome法により施行した。FITCラベルされたOligonucleotideを用いてHVJ-liposome法により選択的に肝臓内のマクロファージに導入されているか確認した。コントロール群とNF-κB decoy投与群の肝切除後の血液を経時的に採取し、炎症性サイトカインを測定した。また残肝組織を採取し各種免疫染色を肝障害の程度を比較した。最後に生存率を測定した。 結果:HVJ-liposome法によりFITCラベルされたOligonucleotideは肝細胞には取り込まれず、選択的に肝マクロファージに取り込まれ、すべてのマクロファージの95%以上に取り込まれていた。肝切除90%致死モデルでは70%生存モデルに比べ、術後1時間から12時間にかけて炎症性サイトカインIL-6,IL-1β,TNF-αが有意に高値を示した。一方90%肝切除NF-κB decoy投与群はコントロール群に対し術後1時間から1L-6,IL-1β,TNF-αが有意に抑制された。組織学的にはNF-κB decoy投与群はコントロール群にと比べTUNEL染色でアポトーシスの減少を認めたが、BrdU染色では肝再生に差がなかった。結果、NF-κB decoy投与によりマウス90%肝切除の生存率が0%から15%に改善した。 90%肝切除の高サイトカイン血症の抑制は、残肝のアポトーシスを減少させるが、肝再生は促進させず、過大肝切除後肝不全を制御するには肝再生を促進させることも必要であると考えられた。
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Research Products
(5 results)