2007 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的遺伝子解析による膵液を用いた膵管内乳頭粘液腫瘍(IPMN)の悪性度診断
Project/Area Number |
18591523
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
川井 学 Wakayama Medical University, 医学部・第二外科, 助教 (40398459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
内山 和久 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (80232867)
谷 眞至 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60236677)
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Keywords | 膵管内乳頭粘液腫瘍 / 膵液 / 遺伝子診断 / 悪性度診断 |
Research Abstract |
【目的】膵管内乳頭粘液腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasms;IPMN)は病理学的にadenoma-carcinoma sequenceの病態を呈しているため、上皮内癌や微小浸潤癌の段階での質的診断はしばしば困難である。このため癌化を決定する新しい診断法の確立が急務である。そこで膵液を用いて膵液中細胞の癌関連遺伝子であるCEA、human telomerase reverse transcriptase(hTERT)、およびmucin familyのひとつであるMUC1のmessenger ribonucleic acid(mRNA)の定量を検討した。すなわち、術前にIPMNの癌化診断が可能であるか否かを分子生物学的に検討した。【方法】膵腫瘍34例中の膵液中のCEA、hTERT、MUC1 mRNA発現量を定量化しGAPDHのmRNAの発現量で除し、100倍したものをそれぞれCEA ratio、hTERT ratio、MUC1 ratioとし、receiver operating characteristics curve(ROC curve)を用いてカットオフ値を設定して癌化の予測因子となりうるかを検討した。【結果】IPMNにおける良性群と悪性群では、MUC1が悪性群に有意に高発現していた(1、079±879vs6、938±7、930、p=0.0229)。膵液中細胞のMUC1 mRNA発現量のIPMN癌化におけるカットオフ値はROC curveによって1、600となり、その感度は88.9%、特異度71.4%、陽性反応予測値80%、陰性反応予測値83.3%、正診率81.3%となった。【結語】膵液中のMUC1 mRNAの定量による遺伝子診断は、IPMNの診断ならびに治療方針を決定する指針になることが判明した。
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