2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591527
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
工藤 光洋 Nippon Medical School, 医学部, 助手 (20256978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石渡 俊行 日本医科大学, 医学部, 助教授 (90203041)
内藤 善哉 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20237184)
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Keywords | 骨髄幹細胞 / インスリン / Activin-A / Betacellulin |
Research Abstract |
【ヒト骨髄間葉系幹細胞を用いたインスリン産生細胞の誘導】I.ヒト骨髄間葉系幹細胞の培養維持:間葉系幹細胞は長期培養や継代数が増すにつれ、形質の変化を来たし、細胞形態は線維芽細胞様の紡錘形の細胞より輪郭が不定で伸展した扁平な細胞が多くなり、細胞サイズも大きくなる。これらの変化は間葉系幹細胞の細胞老化や表現型(stemness)と相関し、多分化能の低下を招くことが報告されている。我々はBattulaら(Differentiation75(4)=279-91.2007)の方法にて、ゼラチンコーティングした培養皿とbFGF含有無血清培地(最初はヒトES細胞増殖用にデザインされた培地)で細胞培養維持をした。その結果、細胞形態は良く維持され、増殖能も良好であった。II.インスリン産生細胞誘導の検討:継代数は3代〜8代までのヒト間葉系幹細胞を用い、in vitroでのインスリン産生細胞への分化誘導の検討を行った。分化誘導培地として2mM glutamine, 10mM nicotinamide, 25mM glucose, 2nM activin-A, 4nM betacellulin, N2 supplement, G27 supplement, DMEM/F12で6日間培養した。分化誘導前の細胞においてクロモグラニン、CK18、CK19の陽性細胞が観察され、また少数の細胞ではあるがインスリン陽性を示した。分化誘導後の細胞ではクラスター形成が観察され、インスリン陽性細胞は分化誘導前に比べ高頻度に観察され、特にクラスター形成細胞ではインスリン、Glut-2、CK19が強陽性を示した。以上より、ゼラチン上でbFGF含有無血清培地にて培養維持したヒト骨髄間葉系幹細胞は先述の分化誘導培地で処置することで高頻度にインスリン産生細胞への誘導が可能になることが示唆された。
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