2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肺腺癌の発癌初期に係わる発現遺伝子の網羅的解析
Project/Area Number |
18591539
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
穴見 洋一 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助手 (40317376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 雅之 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (00198582)
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Keywords | cDNA microarray / 細気管支肺胞上皮癌 / 混合型腺癌 / real-time PCR / Sushi domain containing 2 / Neuromedin U |
Research Abstract |
当研究室で樹立・継代されている異型腺腫様過形成(AAH)培養細胞株:PL16Tと同じ症例から採取した気管支上皮細胞培養細胞株:PL16Bそれぞれからtotal RNAを抽出した。Agilent社の2100bioanalyzerによりマイクロアレイに適するRNAのqualityであることを確認し、CodeLink Expression Bioarray Systemを用いてcDNAマイクロアレイを行った。そして、PL16TとPL16Bに差時的に発現している遺伝子を比較し、PL16Tでの発現がPL16Bに比べて5倍以上あったものを高発現と判断し、選択したところ以下の29遺伝子を同定された:Chemokine(CXC motif)receptor3(CXCR3), Sushi domain containing 2(SUSUD2), Replication protein A1(RPA1), cx61b06s1 Soares NhHMPu S1cDNA clone, Sex determining region Y-box 17(SOX17), Soares NFL T GBC S1 cDNA, Chromoosome 20 Open reading frame 70,Soares infant brain 1NIB cDNA clone, Hypothetical protein FLJ12973, cysteine-rich, angiogenic inducer, 61(cYR61), Neuromedin U(NMU), Cytochorme b-5(CYB5)。これらの遺伝子についてPL16T・PL16Bでの発現をreal-timePCRを用いて確認実験を行い、SUSD2とNMUの2つを候補遺伝子として同定した。ついで肺癌組織での発現を検討するため、実際に肺腺癌として切除された肺癌組織を用いて、それらの組織での上記2遺伝子の発現をreal-timePCR法にて確認した。24例の肺腺癌組織を用いた結果からSUSD2は浸潤のない細気管支肺胞上皮癌において有意に発現し、浸潤癌では発現が低下していることが確かめられた。またNMUは正常肺繊では発現は低かったものの細気管支肺胞上皮癌から初期浸潤癌である混合型腺癌へと進行するに従い発現が増加し、混合型腺癌では正常肺組織と比べて有意に高発現していることが確認された。以上の結果は2006年第47回日本肺癌学会総会にて発表した。
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