2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ・ドラッグデリバリーシステムを用いた静脈グラフト不全に対する新しい治療戦略
Project/Area Number |
18591555
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
塩瀬 明 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (30363336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益田 宗孝 横浜市立大学, 外科治療学, 教授 (10190365)
富田 幸裕 九州大学, 大学病院, 助教授 (90180174)
川島 嘉明 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (30082978)
江頭 健輔 九州大学, 医学研究院, 助教授 (60260379)
富永 隆治 九州大学, 医学研究院, 教授 (70136464)
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Keywords | 心臓大血管外科学 / 生体適合材料 / ドラッグ・デリバリー・システム / ナノテクノロジー / 静脈グラフト |
Research Abstract |
【背景】 静脈グラフト不全の主因は、バイパス後に急速に進行する新生内膜肥厚(血管平滑筋細胞の遊走、増殖)と考えられているが、血小板由来増殖因子(PDGF)が静脈グラフト不全の中心的役割を果たしていることが知られている。イマチニブは慢性骨髄性白血病治療薬として承認されている経口薬であり、PDGF受容体阻害作用を有するが、PDGF阻害作用を達成する有効薬剤血中濃度を得るには大量の薬剤投与が必要である。したがって、優れたドラッグ・デリバリー・システム(DDS)を応用し、イマチニブを静脈グラフト細胞内に選択的に、且つ長期間送達できれば画期的治療法となる。 【目的】 本研究の目的は、ナノテクDDSを用いてイマチニブを静脈グラフト細胞内に送達することによって新たな静脈グラフト不全の治療法探索をすることである。1)ナノテクDDSの創製:上記のナノ粒子を用いて静脈グラフト片にイマチニブを局所送達する(平成18年度)。2)ナノテクDDSによる静脈グラフト不全の抑制:ナノテクDDSによるイマチニブの送達によって、静脈グラフト不全が抑制されることを明らかにする(平成19年度)。 【研究成果】 1)イマチニブ封入ナノ粒子の作製 生体吸収性ナノ粒子にイマチニブを封入した。生体吸収性高分子ポリマーとして長年使用されてきたPLGAを用いてナノ粒子を作製した。 2)in vitroでの有効性の検討 培養血管平滑筋細胞に効果的にナノ粒子が取り込まれること、PDGF受容体阻害作用を有すること、血管平滑筋細胞の遊走、増殖を優位に抑制すること、を確認した。細胞毒性の所見は観察されなかった。
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Research Products
(1 results)