2006 Fiscal Year Annual Research Report
僧帽弁超音波三次元イメージング法による僧帽弁逆流症の発生機序別弁形成術戦略の構築
Project/Area Number |
18591568
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
吉村 雄樹 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10388978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 清 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60322583)
種本 和雄 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90330547)
濱中 荘平 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50351911)
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Keywords | 僧帽弁逆流 / 僧帽弁形成術 / 三次元 / 心臓超音波 |
Research Abstract |
開発中の弁輪部トレースによる三次元画像解析を、弁葉のトレースを同時に行うことで、弁の左室側への牽引の程度を三次元立体的に表示した。このシステムにより弁葉のどの部分が最も牽引されているのかを観察し、牽引の程度を定量化できた。これにより、弁輪部・弁葉さらに乳頭筋先端の位置も立体画面状に描き出し、それぞれ複雑なカーブを描いている弁輪と弁葉・乳頭筋との位置関係を三次元的空間上で明らかにし、定量解析を行うことに成功した(J Echocardiogr論文発表)。ソフトウェアによる3次元解析の精度に関しても同時に実験を行い、その正確性を証明した(J Echocardiogr論文発表)。 実験モデルとして、開胸犬を用いて人為的に僧帽弁逆流を発生させ、逆流発生過程を通して三次元的に僧帽弁形状を経時的に解析し、心室や心房の立体構造と僧帽弁立体構造との関係を明らかにすることに成功した(研究内容は19年日本循環器学会で発表、アメリカ心エコー図学会で発表予定)。 臨床例では、さまざまなタイプの僧帽弁逆流患者のデータを解析し、それぞれの形態的特徴を解析することができた。具体的には、僧帽弁逆流の原因として最も多く見られる僧帽弁逸脱症の弁の異常を、手術前に三次元表示し、初めて逸脱程度の定量化にも成功した(18年アメリカ心エコー図学会で発表)。また、心筋梗塞に伴う僧帽弁逆流についても、これまでにわからなかった梗塞のタイプ別の僧帽弁形状の特徴を観察・解析することができた(J Am Soc Echocardiogrに発表)。僧帽弁形成術前後の患者データを収集し、術前3D情報の臨床的意義と役割につき検討中である。
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