2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳機能・代謝画像と実時間超音波計測を統合した画像誘導手術法の開発
Project/Area Number |
18591573
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
溝井 和夫 Akita University, 医学部, 教授 (70157519)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹嶋 寿郎 秋田大学, 医学部, 准教授 (40235289)
|
Keywords | 脳神経外科 / 手術支援装置 / 脳機能 / 脳代謝 / 脳磁図 / 超音波 / 脳腫瘍 |
Research Abstract |
脳機能マッピング画像、PET脳代謝画像、拡散テンソル画像(DTI)、超音波(ultrasound, US)画像の手術ナビゲーションシステム(VectorVision2)への取り込みに関する技術開発を進め、これら技術を脳腫瘍の手術症例に臨床応用した。DTIデータは1.5T MRIを用いて取得し、パソコン上でテンソル計算および3次元構築を行い、さらに3次元構築結果とMRIの重ね合わせデータセットをVectorVision2に取り込み、錐体路線維の術中モニタリングに用いた。US画像は超音波探触子に再帰性反射材でコーティングされたマーカーを3個装着させて、超音波探触子を光学式位置センサにより追跡することによりVectorVision2に取り込んだ。VectorVision2の画面上に、術前MRI画像と超音波画像を表示し、両者の重ね合わせ画像をモニター上で作成することにより、brain shiftの程度をリアルタイムに計測した。 以上の技術を駆使して脳腫瘍10症例の手術を行った。全例右利きであり、左前頭葉Broca野近傍に腫瘍が局在していた。全例において、左下前頭回ないし中前頭回にBroca野が同定された。これら言語マッピングデータと錐体路線維を示すDTIデータをVectorVision2に取り込み、モニター画面上に機能局在を3次元画像表示しながら、脳腫瘍の摘出術を行った。全例でBroca野を温存した腫瘍摘出が行われ、術後に言語および運動障害は現れなかった。術中のbrain shift対策としてのUS画像によるリアルタイムモニタリングの有用性も認められた。脳機能・代謝画像と実時間超音波計測を統合した画像誘導手術法の開発は、安全で確実な脳腫瘍手術の実施に極めて有用であることが示された。
|
Research Products
(3 results)