2008 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍に対する血管内皮前駆細胞を用いた血管新生抑制療法
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18591576
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高野 晋吾 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (50292553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大根 田修 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (30311872)
山下 年晴 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (50400677)
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Keywords | 腫瘍血管内皮細胞 / 血管新生抑制 / 血管内皮前駆細胞 / グリオーマ / 低酸素 / SDF-1 / CXCR4 / CXCR7 |
Research Abstract |
1.膠芽腫由来血管内皮細胞(GBMEC)の分離培養:膠芽腫13例からGBMECを4種類分離培養できた。GBMECは正常血管内皮細胞(HUVEC)と比べてSDF-1,CXCR7のmRNA発現が高く、CXCR4、VEGFR1、VEGFR2のmRNA発現が低かった。また、GBMECはHUVECに比べて多くのSDF-1を分泌した。 2.GBMECの機能解析:分離培養できたGBMECの遊走能、管腔形成能をHUVECと比較した。GBMECではSDF-1に対する遊走能、管腔形成能がHUVECに比べて高く、SDF-1の受容体であるCXCR7に対する抗体で遊走能・管腔形成能が抑制された。一方、SDF-1のもうひとつの受容体であるCXCR4の抑制剤(AMD3100)では抑制されなかった。 3.GBMECと膠芽腫細胞・血管内皮前駆細胞(EPC)との共培養:GBMECは膠芽腫細胞およびEPCの遊走を増強し、その効果はSDF-1抗体で抑制された。 4.結語:膠芽腫の血管新生ではGBMECがSDF-1を分泌しautocrineにCXCR7受容体を介して管腔形成を行い、paracrineにEPCを骨髄から、膠芽腫細胞を腫瘍血管周囲に遊走させることにより腫瘍の形成を行っていると考えられた。
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