2007 Fiscal Year Annual Research Report
ROCK/Rhoキナーゼインヒビターによる悪性グリオーマ治療の基礎的研究
Project/Area Number |
18591583
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
酒井 圭一 Shinshu University, 医学部附属病院, 講師 (10262726)
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Keywords | 脳腫瘍学 / 遺伝子治療 / 細胞骨格 / 細胞周期 |
Research Abstract |
本研究は、癌の中でも予後の悪い悪性グリオーマについて、ROCK/Rhoキナーゼインヒビターを用いて、悪性グリオーマにおけるROCK/Rho経路の役割を検討するとともに、グリオーマ治療戦略の可能性を追求することを目的とした。 ヒト悪性グリオーマ培養細胞に対して、ROCK/Rhoキナーゼインヒビター(Y27632)を投与することにより、腫瘍細胞の細胞膜や細胞骨格の変化がみられ、細胞の形態学的な変化を認めた。そして、腫瘍細胞の運動する能力の低下が生じ、浸潤する能力も抑制されることが観察された。さらに、腫瘍細胞の細胞分裂が制御され、細胞周期が抑制され停止するとともに、細胞分裂の抑制と細胞増殖の抑制がみられた。ところで、ROCK/Rhoキナーゼインヒビターによる腫瘍細胞への効果を評価または予測するために、グリオーマ組織における遺伝子検索をおこなった。悪性のグリオーマに遺伝子異常がより観察され、さまざまな遺伝子異常が関与されていることが推測されるとともに、ROCK/Rhoキナーゼインヒビターの腫瘍細胞への効果と遺伝子異常との関連を検討した。 本研究によりROCK/Rhoキナーゼインヒビターが悪性グリオーマの運動能、浸潤能、細胞周期に影響を与えることがわかり、予後の悪い悪性グリオーマに対する治療に有効となる可能性が示唆された。さらに、遺伝子解析を行うことでROCK/Rhoキナーゼインヒビターの効果を推測し、テーラーメード治療に結びつく方向性になりうると思われた。
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Research Products
(4 results)