2006 Fiscal Year Annual Research Report
AMPA型グルタミン酸受容体依存性神経細胞死の機構の解析と遺伝子治療への試み
Project/Area Number |
18591584
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
茨木 京子 浜松医科大学, 光量子医学研究センター・細胞イメージング, COE研究員 (00377756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 清二 浜松医科大学, 光量子医学研究センター・細胞イメージング, 助教授 (60144094)
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Keywords | 脳神経疾患 / 神経細胞死 / イメージング |
Research Abstract |
本研究は、Alpha-amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazole propionic acid(AMPA)型グルタミン酸受容体が脳虚血などで誘導される急性興奮性神経細胞死においてどのような役割を果たしているか明らかにすることを目的として研究を行っている。1)微分干渉顕微鏡下で、AMPA受容体依存性神経毒性における海馬神経細胞の形態変化を経時的に観察した。100μm,1mMのAMPAを投薬後、早期に細胞腫大と核内顆粒が誘導された。これらの形態変化は非競合的AMPA受容体阻害薬GYKI-52466前投薬によって誘導されなかったのでAMPA受容体依存性であることが示された。次にこれらの形態変化がAMPA受容体を介したN-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体の活性化による二次的な神経細胞毒性であるかを調べた。NMDA受容体遮断薬MK-801を前投薬しAMPA興奮神経毒性を調べたところ、同様な形態変化が観察された。よってNMDA受容体の活性化を伴わないAMPA受容体依存性経路があると考えられる。2)またAMPAによる形態変化がnecrosisもしくはearly apoptosisを誘導しているかを、propidium iodideとannexin V-FITCの二重染色を行い判定したところ、AMPAの用量依存的にnecrosisを誘導していた。3)このAMPA依存性necrosisの過程でDNA断片化が誘導されるのかをcomet assayを用いて解析した。100μM,1mMのAMPA投薬1h後、DNA損傷を受けた細胞の割合が増加した。よって高濃度のAMPAは早期にnecrosisとDNA断片化を誘導することが示唆された。
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