2007 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質形成異常によるてんかん原性の病態解明と治療
Project/Area Number |
18591587
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三國 信啓 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (60314217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 昭夫 京都大学, 医学研究科, 准教授 (90212761)
天野 殖 京都大学, 医学研究科, 教授 (50111886)
十一 元三 京都大学, 医学研究科, 教授 (50303764)
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Keywords | てんかん / 神経科学 / 脳機能 |
Research Abstract |
本研究課題では、"皮質形成異常によるてんかん原性の病態解明と治療"を主題とする。難治性、局在関連性てんかんの中で最も典型的な側頭葉てんかんでは様々な動物モデルがすでに完成されており、てんかん原性やその獲得への機構の解明が進み、手術を含めた有効な治療法が確立している。脳機能・てんかん焦点診断技術の向上と病態生理の解明が進み、最近では皮質てんかんに対して側頭葉てんかんに次ぐ手術件数が報告されている。しかし、必ずしもその治療成績は良好とは言えない。側頭葉てんかんでは内側側頭葉特に海馬を中心とした焦点を形成し、その摘出により約70%は発作が消失し、優位な改善まで入れると90%の症例で有効である。一方で、皮質てんかんでは発作消失は50%ほどに留まるために手術適応そのものの慎重な検討を要する。皮質てんかんのモデル動物での基礎研究は少なく、てんかん原性獲得の機構に関して未だ不明な点が多いことが基盤となり、さらに焦点がしばしば広範囲に及ぶ、あるいは脳機能部位を含むことが治療を困難にしている。これらの背景に基づき、皮質形成異常における脳機能診断を主に電気刺激により行い軽度の形成異常部位に脳機能とてんかん原性が共存することを明らかにした。動物実験おいてはてんかん原性調節にヒスタミン系が関与していることを報告した。
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Research Products
(4 results)