2006 Fiscal Year Annual Research Report
嗅粘膜由来神経前駆細胞を用いた神経再生の基礎的研究
Project/Area Number |
18591590
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
貴島 晴彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10332743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 天美 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00233776)
齋藤 洋一 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20252661)
岩月 幸一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80346204)
押野 悟 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40403050)
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00201046)
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Keywords | 嗅粘膜移植 / 脊髄損傷 / 運動機能 |
Research Abstract |
マウスの胸髄(Th10レベル)を切断し約1.5mmの間隙を設け、脊髄損傷(全離断)モデルを作成した。 急性期嗅粘膜移植モデルとして、同系のマウスの嗅粘膜を採取し細切し、損傷モデル作成時に移植した。慢性期モデルとしては、2週間後に胸髄を観察し損傷部の肉芽組織を除去した後に同様に嗅粘膜を移植した。コントロールとしてはいずれのモデルも細切した呼吸粘膜を移植した。これらのモデルを移植から8週間にわたり下肢運動機能を観察した。慢性期、急性期のモデルともコントロール群に比べると優位に下肢運動機能の改善を認めた。また急性期モデルでは、膀胱内圧測定により、その機能の改善を認めた。 組織学的検討を行ったところ、 慢性期モデルでは移植組織は8週まで生着していた。嗅粘膜に含まれる神経前駆細胞の一種と考えられるOECは2週をピークに認められたが、その数は次第に減少していた。また、脳の感覚運動野に標識した色素は、皮質脊髄路を下降し、一部で移植部を超えその遠位でも観察され、皮質脊髄路の再構築が示唆された。 急性期モデルでは神経栄養因子受容体(p75NGFR)を持つ細胞や神経前駆細胞を移植組織内に認め、一部ニューロンに分化したと考えられる細胞も認められた。しかしながらGFAP陽性細胞はあまり認められなかった。急性期モデルでも、皮質脊髄路の再構築が示唆された。 これらのことから、嗅粘膜細胞には軸索再生を促す細胞あるいは、神経細胞に分化する細胞が存在し、中枢神経損傷の修復に寄与することが示された。 今後さらに、この修復機構の解明を進める予定である。
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