2007 Fiscal Year Annual Research Report
悪性グリオーマの多核化・分裂細胞死に関わるSurvivin、p16の役割の解明
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18591591
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉山 一彦 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (30243554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗栖 薫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70201473)
濱 聖司 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 非常勤講師 (40397980)
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Keywords | 悪性グリオーマ / survivin / ジェミニン / 免疫染色 / 生存解析 / 放射線感受性 |
Research Abstract |
本年度は高悪性度星細胞腫におけるSurvivin発現の局在と予後との関運について免疫組織化学的検討を行い報告した。対象は1994年〜2003年に広島大学脳神経外科において加療した53例(退形成性星細胞腫:19例、膠芽腫:34例)で、全例、外科的切除術、放射線療法を施行した。方法は摘出標本のSurvivin免疫染色を行い、発現の局在をN群(核)、C群(細胞質)、N/C群(核、細胞質両方)の3群に分類した。細胞内局在と予後との関連についてLogrank testおよびCoxの比例ハザードモデルを用いて統計学的解析を行った。結果は、N群:10例、C群:24例、N/C群:19例で、単変量解析ではN群とC群間では有意差を認めなかった(p=0.796)が、N/C群では他群と比較し有意に生存期間が短かった(p<0.0001)。多変量解析でも有意差を認めた(Hazard ratio:8.635,p<0.0001)。これらの結果より、Survivin発現の局在の検討は、High-grade astrocytomaの予後予測因子として有用であることを報告した(Saito et. al., J Neurooncol 82,2007)。 また高悪性度星細胞腫51例を対象とし、DNA合成を阻害する核内蛋白であるジェミニンについても免疫染色を行い、その発現量と生存期間との関連を調べた。Kaplan-Meier法ではジェミニン高発現の群は低発現の群よりも生命予後が良好(p=0.0296)で、Cox解析でも有意な予後関連因子であった(p=0.0278)。我々の症例は全例で放射線照射を行ったが、悪性星細胞腫ではジェミニンの発現が高いほど悪性度は高くなるが、放射線照射との併用で生命予後は良好となることを報告した(Shrestha et. al., Cancer 109,2007)。
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Research Products
(13 results)