2008 Fiscal Year Annual Research Report
血管内微細振動子による血栓の破砕と低侵襲回収療法の開発
Project/Area Number |
18591592
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
加藤 祥一 Yamaguchi University, 医学部附属病院, 講師 (00204470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 倫保 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80196873)
江 鐘偉 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60225357)
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Keywords | 振動子 / 撹拌器 / 血栓 / 吸引 / 破砕 |
Research Abstract |
撹拌器のアクチュエータとして,単一の素子で駆動でき,センサとしても使うことのできる圧電素子を用い、圧電素子は大きな発生力を発生可能なPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用いた.撹拌器はアクチュエータの長さ方向の変位を拡大し,省電力で大きなエネルギを出力するために,ヒンジ機構を用いることとした.ヒンジにPZTを挟み込む形状により,PZTの横効果による振動を撹拌器の曲げ振動に変え,発生力の大きなPZTの特性を用いた.撹拌器を流体に挿入した時の振幅の減少量を確認するため、撹拌器先端に流体をバネ・質量・ダンパ系でモデル化した機械モデルを付加し,付加の有無による振幅の変化を解析した.解析では梁型撹拌器の曲げ一次モードの周波数の電圧50V正弦波を印加した場合の振幅を計算した.撹拌器の流体負荷による影響を確認するために,撹拌中溶液に触れていない,撹拌器先端から17,18,19mmでの振幅を,レーザー変位計により計測し,梁型の撹拌器の結果と比較した.入力信号は50Vの矩形波とし,共振周波数が近いことから,梁型が曲げ二次モード(482Hz),ヒンジ型が曲げ一次モード(402Hz)とした.梁型の撹拌器では機械モデルを付加すると振幅が大きく減少するのに対して,ヒンジ型の撹拌器では,ほとんど振幅が減少していないことが分かり、ヒンジ型撹拌器は流体に挿入しても効果が減少しにくいことが確認された.血管の再開通には血栓の吸引を要する。血栓破砕後の吸引の際の血管内皮の損傷の有無を調べる為に、ラットの大腿動脈にチューブを挿入し、高度の陰圧と、程度の陰圧を附加し、その後大腿動脈を採取しHE染色を行った。高度の陰圧でも内皮の損傷はほとんど無いことが分かった。
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