2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規脳保護因子としてのC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)の研究
Project/Area Number |
18591596
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
永山 哲也 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (40336334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新納 正毅 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (30172612)
宮田 篤郎 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60183969)
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Keywords | C型ナトリウム利尿ペプチド / PACAP / 血管内皮 / 神経細胞 |
Research Abstract |
C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)は脳に最も高濃度に分布するにも関わらず、中枢神経作用はあまり明らかにされておらず、中枢での生合成分泌動態も不明のままである。そこで、CNPの中枢神経系における分泌動態及びその中枢神経作用を、神経-グリア-血管の機能連関の観点から解明することを本研究の目的とした。まず、ラット初代培養アストロサイトにおいてPACAP添加によりCNP遺伝子の発現が用量依存的・経時的に増大するのをRT-PCRで確認した。次に、CNP特異的RIAを用い、PACAP添加により用量依存的・経時的にCNPの分泌が増大することを明らかにした。また、血管内皮においてCNPの分泌を増大させるIL-1β、TNF-α、TGFは、アストロサイトにおいてCNPの分泌を増大させなかったことから、中枢神経系におけるCNPの生合成調節機構は血管内皮など末梢組織におけるそれとは異なることが示唆された。このように、PACAP特異的にCNPがアストロサイトから誘導されることから、PACAPの中枢神経作用へのCNPの関与が示唆された。 また、CNPの血管内皮細胞保護作用が報告されていることから、PACAPの神経保護作用へのCNPの関連性の有無の検討を開始した。ラット初代培養神経細胞及びアストロサイトにおいてCNPの受容体であるGC-Bの遺伝子発現をRT-PCRにて確認し、CNP添加により細胞内cyclic GMP産生が用量依存的・経時的に増大されることを確認した。神経細胞の実験的虚血条件下培養に対する保護作用の有無を検討したところ、濃度依存的に神経細胞を生存維持させることを確認した。現在、アストロサイトにおいても、同様にCNPの細胞保護作用の有無を検討中である。今後CNPの神経細胞保護作用のメカニズムを解明するために、cyclic GMP以下の細胞内シグナルの検討を行う予定である。
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