2006 Fiscal Year Annual Research Report
頭蓋内胚細胞腫瘍の新規腫瘍マーカーの探索と発生機序・治療感受性に関する解析
Project/Area Number |
18591605
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
松谷 雅生 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90010454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 亮 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90237678)
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Keywords | 胚細胞腫瘍 / 腫瘍マーカー / BMP-4 |
Research Abstract |
1.頭蓋内胚細胞腫瘍(GCT)19例の凍結標本を用い,cDNA arrayによる遺伝子発現の解析を行なった. (1)従来から言われているマーカー,HCG-β,AFP, PLAP, c-Kitは,いずれもそれぞれに特有の組織型において発現している事が観察された. (2)いくつかの遺伝子発現がgerminomaとnon-germinomatous GCTを区別する遺伝子としてピックアップされた.その中にはprimordial germ cellの分化に関与していると報告されている遺伝子が複数含まれていた.特にTGF-β関連因子であるBone Morphogenetic Protein-4 (BMP-4)が統計学的有意差を持ってnon-germinomatous tumorに高発現していた.BMP-4はextraembryonic ectodermの細胞がgerm cell lineageに入る最初の段階を制御している事が知られている. 2.BMP-4が従来に無いnon-germinomatous GCTのマーカーとなる可能性を探るために免疫組織化学染色を行った. (1)BMP-4の染色性には既知のマーカーであるPLAP, cKit程の特異性は認められなかった.Germinomaにおいては21例中19例が陽性であった.ただ,染色強度は+から++までであったが,PLAPあるいはcKitに比べると弱いものが多かった. (2)Syncytiotrophoblastic giant cellについては染色性にばらつきがあり,細胞も少数なので明確には結果が判定できなかった. (3)卵黄嚢腫瘍,絨毛癌でも陽性所見が得られ,むしろgerminomaよりも染色性の強い症例が目立った. (4)奇形腫では,主として上皮成分,神経組織,間質の一部に陽性を認め,特に上皮の反応性が強いようであった.新規マーカーとしての可能性を示唆した.
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