2007 Fiscal Year Annual Research Report
悪性神経膠腫に対する中性アミノ酸トランスポーター標的の新規治療法の開発
Project/Area Number |
18591606
|
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
小林 啓一 Kyorin University, 医学部, 助教 (70406990)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永根 基雄 杏林大学, 医学部, 准教授 (60327468)
|
Keywords | amino acid transporter / glioma / LAT1 / 4F2hc / inhibitor / siRNA |
Research Abstract |
悪性脳腫瘍は極めて難治性疾患であり、腫瘍化に関与する分子を標的とする新規治療法の開発が重要な課題と考えられている。近年、当大学研究科において発見された、中性アミノ酸トランスポーター機構を構成するLAT1は、他臓器では悪性腫瘍に特異的な発現が認められ、LAT1を標的とした悪性腫瘍の治療の可能性が示唆されてきている。悪性脳腫瘍の代表である神経膠腫(glioma)においては、LAT1及びその共因子である4F2hcは正常組織に比べ発現が亢進する傾向がみられており、機能解析上も、LAT1をヒトglioma細胞株に強制発現すると、マウス皮下及び脳内腫瘍モデルにおいて、LAT1の高発現により腫瘍増殖速度が亢進することが示され、アミノ酸トランスポーター機能抑制を目的とするLAT1/4F2hc標的治療は有力な悪性glioma治療戦略の一つと期待される(Kobayashi K, et. al.Neurosurgely 62:493,2008).LAT1刊の阻害剤であるBCHを用いた治療により,LAT1高発現のglioma細胞は増殖能の低下かつ細胞死増加が認められたが、より感受性のよい新規LAT1阻害剤KYT0206による治療を検討した。容量依存性にglioma細胞の増殖能が阻害され、異なる阻害剤で同様の治療効果が認められたことから、LAT1の治療標的としての有用性が示唆された。動物モデルを用いたpreclinicalな効果を検証するための恒常的LAT1及び4F2hc発現阻害を目的に、各siRNA発現ベクターを作成し、glioma細胞株への導入を行い、現在マウス腫瘍モデルでの評価を施行中である。
|
Research Products
(7 results)