2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管障害後の片麻痺などに対する機能改善を目的とした大脳皮質運動領刺激の研究
Project/Area Number |
18591614
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山本 隆充 日本大学, 医学部, 教授 (50158284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 容一 日本大学, 医学部, 教授 (00125048)
深谷 親 日本大学, 医学部, 助教授 (50287637)
小林 一太 日本大学, 医学部, 助手 (20366579)
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Keywords | 大脳皮質運動野 / 片麻痺 / 運動誘発電位 / 視床痛 / 中枢性疼痛 / 大脳皮質運動野刺激 / 運動機能回復 / 中心溝 |
Research Abstract |
脳卒中後の運動機能回復を目的とした大脳皮質運動野刺激について検討した。対象はpost-stroke painの症例で、疼痛の治療を目的として大脳皮質運動野刺激を行う症例について、疼痛の評価とともに運動機能の回復についての評価をおこなった。 大脳皮質のどの位置に電極を留置するのが良いか検討する目的で、20極のグリッド電極を中心溝をまたいで留置し、それぞれの刺激点を単極刺激して、cortico-spinal motor evoked potentialのD-waveの振幅と痛みの減少率を比較した。その結果、D-waveが高振幅で記録される部位の刺激が有効で、D-waveの振幅と痛みの減少率に有意の相関を認めた(Neurologia Medico Chirgia.In press)。D-waveが高振幅で記録される部位の刺激では、刺激によるmotor twitchを誘発する刺激閾値が低く、運動を誘発する部位を決定するためにもD-waveを記録して刺激電極の留置部位を決定することが有用であることが明らかになった。 これまでに検討した結果では、RESUME電極(メドトロニック株)を2本用いて、1本は上矢状洞に平行にparasagittal areaに、他の1本は運動野の直上で中心溝の直上に留置する方法が、片麻痺患者の手足に刺激による運動を誘発するためには最も有効であることが明らかとなった。また、これまでに経験した症例では、刺激によって疼痛のみならず運動機能の回復も認められることが確認された。しかし、疼痛が激しいために一日中刺激を続けている症例では痙縮が増加する傾向があり、刺激には間歇的な刺激を用いる必要があることが明らかとなった。これらの結果を踏まえて刺激条件を決定した。今後さらに症例数を増やすと共に、運動機能回復に対する効果を明らかにし、そのメカニズムについても検討する予定である。
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