2007 Fiscal Year Annual Research Report
腰部脊柱管狭窄症の病態と治療に関する神経機序の解明
Project/Area Number |
18591620
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
熱田 裕司 Asahikawa Medical College, 医学部, 講師 (90167924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 徹也 旭川医科大学, 医学部, 助教 (10400102)
研谷 智 旭川医科大学, 医学部, 助教 (80322907)
能地 仁 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70396357)
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Keywords | 腰部脊柱管狭窄症 / 坐骨神経痛 / 異所性発火 / 馬尾血流 / 間欠跛行 / 後根神経節 / 組織酸素濃度 / ラット |
Research Abstract |
全実験を通じてラット腰部脊柱管狭窄モデルを用いた。後枝知覚神経より導出した異所性興奮活動を解析指標とした。今年度は新たに後根神経節の局所酸素濃度の同時計測にも成功した。 【実験1】人工的大動脈遮断による鬱血負荷による異所性発火活動と後根神経節の酸素濃度低下との直接的対応関係を解明できた。 【実験2】セロトニンの静脈内投与により誘発される異所性発火反応に対して、セロトニン受容体拮抗薬による反応抑制作用を確認できた。 【実験3】坐骨神経の高頻度電気刺激と人工的血行障害の同時負荷によって発火反応の著名な増強を認めたが、その背景にある後根神経節の酸素動態を解明した。 【実験4】腰部椎間関節に疼痛誘発物質を局所注入して人為的に腰痛を誘発することによる異所性発火頻度の増強傾向を確認した。 【実験5】腰部脊柱管狭窄モデルでは自発性の異所性発火頻度が増大しているが、連続的に計測する条件においてシリコン片を抜去し1時間観察した。異所性発火の自発性頻度は短期的に変化は無く、人工的血行障害負荷による発火増強反応にも変化は認められなかった。 【実験6】腰部脊柱管狭窄症において、リドカインおよびその誘導体、一部の筋弛緩剤、プロスタグランジンなどは自発性の異所性発火頻度および人工的血行障害負荷時の発火反応に抑制的影響を及ぼすことが観察された。これらの作用は、後根神経節の酸素濃度変化をともなっていることから、血流動態の改善による症状抑制の治療効果を具体的に明らかとできた。 実験1-3は腰部脊柱管狭窄モデルにおいて知覚神経節細胞の過剰興奮性が生じている上で、酸素供給変化や化学物質の影響を受けることが明らかとなった。実験4は腰痛と坐骨神経痛の関連を示した。実験5-6は腰部脊柱管狭窄症に対する薬物治療や手術治療の意義を客観的に解明した。
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Research Products
(5 results)