2007 Fiscal Year Annual Research Report
超音波による軟部肉腫の治療:アクリジンオレンジを音響感受性物質として
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18591621
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
岡田 恭司 Akita University, 医学部, 助教授 (10185431)
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Keywords | Acridine orange / U1trasound / Sarcoma |
Research Abstract |
音響感受性物質としてのアクリジンオレンジの有用性を確認するため以下の実験を行った。 1.細胞の継代と腫瘍細胞浮遊液の調整:マウスの腹腔内でSarcoma180を継代し使用した。実験時にヘマトサイトメーターを用い、PBSで希釈して細胞数を7.52x10^5/ml(5.25x10^5/0.7ml)に調整した。 2.アクリジンオレンジ、ピロキシカムとスパフロキサシンの濃度調整:これまで音響感受性物質であると証明されている非ステロイド系抗炎症剤であるピロキシカム(0.2mM)と、ニューキノロン系抗菌剤であるスパフロキサシン(0.2mM)と、今回の検討対象であるアクリジンオレンジ(0.1μg/ml)の3剤の抗腫瘍効果を比較検討した。 3.超音波照射装置:これまでに用いている装置を使用した。 4.超音波照射実験:5.25x10^5/0.7ml個の細胞浮遊液と、アクリジンオレンジ、ピロキシカムとスパフロキサシンそれぞれ0.7mlを混じて、直径20mm、高さ40mm、底面を超音波透過性のMylar film(厚さ9μm)としたガラス管中に入れ、共振周波数2MHzで2.0W/3.0Wで60秒間照射した。 5.評価項目と結果:(1) 塗沫標本、(2) 生存率、(3) アポトーシスの検出、(4) 電顕による観察の4項目のうち1)〜3)は18年度に行っていたので4)について行い、細胞表面の微絨毛の消失、細胞内小器官の変性、破壊などを認めた。アクリジンオレンジはピロキシカムやスパフロキサシンよりも低濃度で同等の抗腫瘍効果を発揮する超音波感受性物質であると結論した。
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