2007 Fiscal Year Annual Research Report
低含水率ポリビニルアルコール人工椎間板の椎間板変性抑制効果
Project/Area Number |
18591630
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
根尾 昌志 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (80311736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤林 俊介 京都大学, 医学研究科, 助教 (30362502)
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Keywords | 椎間板 / 人工椎間板 / ポリマー / ポリビニルアルコール / 腰痛 / 人工髄核 |
Research Abstract |
人工髄核は一部の外国で既に臨床応用され、椎間板の再建手術として注目されているが、その治療効果を示せた動物実験はこれまでになかった。本研究の主な目的の一つは、人工髄核の治療効果を動物実験で評価することである。人工髄核モデルとして、日本白色家兎の腰椎に側方からアプローチし、K-wireで椎間板を側方から貫通後、同部にロッド型のポリビニルアルコール(PVA)製インプラントを留置した(PVA群)。使用したPVAは平均分子量8800、含水率約35%であった。術後1、3、6か月に屠殺し、アプローチしただけのsham群、アプローチ後K-wireで貫通したcontrol群(変性モデル)とレントゲン的、組織学的に比較した。インプラントの設置位置が不良であったものは評価から除外した。計30羽60椎間板を評価したところ、神経損傷、深部感染、インプラント脱転例は無かった。レントゲン写真で椎間板高を計測したところ、PVA群およびsham群はcontrol群に比べて有意に椎間板高を保っていたことが分かった。組織学的にみると、control群は髄核組織量が激減し、術後1か月から線維輪において高度の変性を示したのに対し、PVA群ではインプラントが髄核腔の大半を占拠し、線維輪の変性は6ケ月経過しても中等度までにとどまっていた。しかし術後6か月の時点ではインプラントの終板への沈下を生じた例があった。本実験では、人工髄核による椎間板高維持および髄核腔の充填効果が得られたため、変性を遅延させ得たと考えられた。すなわち人工髄核は、椎間板切除後の髄核腔の再建手術として有用である可能性が示せた。PVAは、製法によって含水率とともに弾性率などの性質を制御できる。より効果的に椎間板の再建を行うためには、材料を選別することが今後必要であると考えられた。
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