2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経原性慢性疼痛に対する遺伝子導入マクロファージ脊髄内移植法を用いた治療法の開発
Project/Area Number |
18591635
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
山本 晴康 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10092446)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 直則 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30291503)
森野 忠夫 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (20380248)
|
Keywords | proenkepharin / macrophage / pain / sciatic nerve |
Research Abstract |
末梢神経障害による疼痛の治療法の開発として、内因性オピオイド前駆物質の遺伝子を過剰発現させた自家マクロファージを硬膜内に移植し、除痛を図ることを試みた。ラット坐骨神経をポリグリコール酸縫合糸で結紮することにより、下肢に知覚過敏を起こさせるモデルを作製した。この動物モデルでは結紮後3日目から安定した下肢の知覚過敏が認められた。Hargreaves' Planter Test Apparatus(Ugo Basile)を用いてラット後肢足底部に熱刺激を加え、回避行動をとるまでの時間を温痛覚閾値として測定した。また、von Frei filamentを用いて、触覚による痛み(アロディニア)が起こることを確認し、firamentの大きさを変えることによりアロディニアを定量化した。 目的とする遺伝子は同じ固体の腹腔から単離したマクロファージに導入し、それを硬膜内に注入することによって脊髄組織にmigrationさせた。内因性オピオイド前駆物質であるプロエンケファリンを組み込んで、導入された細胞に過剰発現するようにデザインしたベクターを作製し、これを体外でウイルスを用いない電気的遺伝子導入法(electroporation)で導入した。結果はプロエンケファリン遺伝子を導入したマクロファージを移植したラットでは遺伝子導入を行っていないマクロファージを移植したラット(vehicle群)に比較し、温痛覚閾値の上昇とアロディニアの軽快が有意に認められた。次年度では組織学的検討を中心に、遺伝子導入したマクロファージの生着とプロエンケファリンの発現を見ていく予定である。
|