2007 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生抑制作用をもつ色素上皮由来因子ペプチドの骨肉腫治療への応用
Project/Area Number |
18591648
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
山岸 昌一 Kurume University, 医学部, 准教授 (40281026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 和生 久留米大学, 医学部, 助教 (90389247)
竹中 克彦 久留米大学, 医学部, 助教 (00389248)
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Keywords | 色素上皮由来因子 / ペプチド / 骨肉腫 / 血管新生 |
Research Abstract |
現在,外科的療法といくつかの抗がん剤を併用したカクテル療法が骨肉腫の標準的治療法として用いられているが,その奏功率は必ずしも満足のいくものではなく,患者さんの生命予後は不良である。そのため,骨肉腫に関する基礎的研究データを蓄積し,その研究成果を速やかに臨床の場へ応用して,奏功率の高い特異的な治療法を開発していくことが望まれる。近年,骨肉腫の増殖、転移の過程に血管新生が深く関わっていることが明らかにされてきた。我々は最近,色素上皮由来因子(pigment epithelium-derived factor,以下PEDFaが,強い血管新生抑制作用と抗腫瘍作用を発揮することを明らかにした。そこで今回我々は,血管新生抑制作用と抗腫瘍作用を担うPEDF機能性ペプチドの同定を試みた。その結果, PEDFを3分割した際, C末端側のフラグメントに骨肉腫細胞の増殖抑制効果が認められた。さらに当該フラグメントを7分割するとN末端よりの6番目のフラグメントにPEDF蛋白と同等の抗腫瘍活性があることが見いだされた。当該フラグメントをさらに3分割することにより,最終的にアミノ酸番号381-387,388-393,394-400の3つの分子量800程度のペプチドにPEDF蛋白と同等の血管新生抑制作用と骨肉腫細胞の増殖を抑える働きがあることが見いだされた。当該ペプチドを動物モデルに投与したところin vivoでの炎症に伴う血管新生を抑制できることが見いだされた。
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