2007 Fiscal Year Annual Research Report
難治性肉腫および悪性中皮腫に対する標的遺伝子療法の開発
Project/Area Number |
18591651
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
山村 倫子 Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses, 研究所, 主任研究員 (50342994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 克仁 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 研究所, 部長 (40211338)
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Keywords | 肉腫 / 悪性中皮腫 / ヘルペスウイルス / 遺伝子治療 / 低酸素 |
Research Abstract |
HSV-1の蛋白1のアミノ末端に、正常酸素分圧において蛋白分解の目印となるアミノ酸配列であるHIF1αのODD(oxygen-dependent degradation domain)内のユビキチン・プロテアソーム認識部位である564番目のプロリン残基を含む57個のポリペプチドを付加した。さらにそのアミノ末端に23個のアミノ酸からなる核内移行シグナルを付加した。 ウイルスDNAの複製に必須の酵素であるRRをコードする遺伝子(UL39)の5'側2.3kbの配列を含むpKpX2 (J. Virol. 62, 196-205, 1988) (Coneticut大学のWeller氏より提供)のStuIサイトにCMV-NLS-ODD-蛋白1-IRES-LacZ-polyA断片を挿入し、Xhol消化により線状化し、pUC19配列を除去した11.3kbのUL39-CMV-NLS-ODD-蛋白1-IRES-LacZ-polyA-UL39相同組換えベクターを構築した。これをHSV-1変異体ウイルスのDNAとともに、Vero細胞(2.5×10^5/well)にコトランスフェクションし、組換えウイルスHSV-1 ODDΔRRを単一のプラークとして精製した。 HSV-1 ODDΔRRは、in vitroおよびin vivoにおいて低酸素分圧(O2 1%)の条件でより強く増殖し細胞傷害活性を示した。蛋白1は、低酸素分圧(02 1%)の条件でよりよく発現していた。背部皮下に移植したヒト悪性中皮腫、平滑筋肉腫、乳がん細胞への直接注入により。いずれの腫瘍に対してもHSV-1 ODDΔRRは顕著な抗腫瘍効果を示した。
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