2007 Fiscal Year Annual Research Report
BMPシグナルによる滑膜線維芽細胞の軟骨細胞分化と炎症性サイトカインの作用
Project/Area Number |
18591653
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中山 修一 The University of Tokyo, 医学部・附属病院, 助教 (80401066)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 栄 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (50282661)
門野 夕峰 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70401065)
|
Keywords | 滑膜線維芽細胞 / bone morphogenetic protein / tumoro necrosis factor-α |
Research Abstract |
RAは多発性の関節炎を特徴とする慢性炎症性疾患である。炎症関節では異常に増殖した滑膜組織がIL-1、腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor,TNF)-αなどの炎症性サイトカイン、そしてマトリックスメタロプロテアーゼやカテプシンなどのプロテアーゼを産生し、骨軟骨破壊に関与していることが明らかになっている。このような滑膜組織の活性化メカニズムは明らかではないが、未知の自己抗原により活性化されたTリンパ球とマクロファージとの間の直接、あるいは間接的な相互作用が重要な役割を果たすと考えられている。関節滑膜線維芽細胞は間葉系幹細胞に由来するが、われわれは滑膜線維芽細胞をbone morphogenetic protein-2などによって刺激することによって軟骨細胞様の形質を獲得することを明らかにした。またこのような軟骨細胞分化はTNF-αの刺激によって抑制されることも示した。本年はこのようなTNF-αの軟骨分化抑制作用がどのようなシグナル伝達を介して行われるのかを検討した。TNF-αは特異的な受容体に結合することによって細胞内情報伝達系を活性化して作用を発揮する。滑膜線維芽細胞をTNF-aで刺激することにより、細胞内のERK,JNK,p38といったmitogen activating protein kinase(MAP kinase)が刺激早期から活性化されること、さらにはIkappaBのリン酸化とともにdegradationが認められ、nuclear factor kappa Bの活性化が認められることが明らかになった。今後これらのpathwayの特異的な阻害剤をもちいることによって、どのような細胞内情報伝達系を介してTNF-αが滑膜線維芽細胞の軟骨細胞分化を抑制するかを明らかにしていく予定である。
|
Research Products
(2 results)