2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591654
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原 慶宏 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (00422296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 博隆 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (20345218)
小笠原 徹 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (20359623)
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Keywords | CDK6 / Cyclin Dl / 軟骨細胞 / 骨芽細胞 / アポトーシス / p53 |
Research Abstract |
われわれは、骨軟骨細胞における分化シグナルの下流に細胞周期関連分子のひとつであるサイクリン依存性キナーゼ6(CDK6)の抑制が重要であることを培養細胞系を用いた実験によって既に報告している。本研究では、さらに生体内でのCDK6の調節機構を証明するために軟骨細胞及び骨芽細胞に特異的にCDK6を強制発現させる遺伝子改変マウス(transgenic mice以下Tg)の作成・解析を行った。生体内でCDK6を単独で強制発現した場合、著名な変化はなかったが、CDK6とCyclin Dlを同時に発現させると、細胞増殖が促進されると同時に、癌抑制遺伝子であるp53依存的にアポトーシスが誘導されることを発見した。また、CDK6とCyclin Dlの同時強制発現は、軟骨細胞及び骨芽細胞のどちらの髄で胴様に細胞増殖促進とアポトーシスを誘導した. 生体内の軟骨細胞において、CDK6によって誘導されるアポトーシスの下流シグナルを検索したが、研究期間内に1シグナルを同定するまでには至らなかった。透過電子顕微鏡を用いた形態学的観察を行ったところ、CDK6/Cyclin Dl Tgの軟骨内に誘導されたアポトーシス細胞は、マクロファージなどの貧食細胞に貧食されずに軟骨の中に残存していた。これらは、後期肥大化軟骨細胞で観察されるアポトーシス像と相違が見られた。 生体内の骨芽細胞でCDK6とCyclin Dlが誘導するアポトーシスをレスキューするために、アポトーシス抑制遺伝子であるBcl-2を導入し、CDK6/CyclinDl/Bcl-2Tgを作成したところ、野生型に比して著明に骨量が増加した。組織学的な解析で、破骨細胞機能異常で起こる大理石骨病とは相違がみられ、骨増殖症のモデルマウスになる可能性が示唆された。
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